嵐のようなゴールデンウイーク(GW)を終えて、現在は一段落といったところであろうか。過去、幾度か述べているように喉元の熱いうちに来年のGWの傾向と対策を考えて、ぜひとも今の内から対策を講じることをお勧めしたい。
さて、GWを過ぎると国内の個人旅行の需要は落ち込み、いわゆる閑散期に突入する。特に6月に入り梅雨の声が聞こえてくると、さらに客足が鈍くなるのが例年の傾向である。そもそも、なぜ雨の日になると客足が鈍るのかというと、雨の日は観光が楽しみにくいと思われていることが大きい。確かに、景色が最大の魅力の観光地であれば、雨の日ともなれば、その魅力が半減することは間違いない。
しかし、天気には逆らえないとあきらめてしまうのもいかがなものか。施設側としても、できることは対策をしておきたい。お客さまは、雨の日は「楽しめるか不安」という心理状態にあるのだから、その不安を払しょくする努力をすべきである。
例えば、ある施設では「雨の日の過ごし方」や「雨の日でも、こんな観光施設があります」といったコンテンツを作り、それをホームページなどに掲載している。具体的には、インドア型の観光資源の紹介や、充実した館内施設を保有している施設では、館内での魅力的な過ごし方の提案をしている。
シニア層が動く時期であるので、温泉と絡めて一泊三食でのんびり過ごしていただくという商品を作成している所もある。
さらに、逆手にとって「雨の日にしか出会えない景色があります」として、雨の日にしか見られない観光コンテンツを打ち出している地域もある。
これらのコンテンツは、もちろん雨の日にもお客さま満足度を下げることなく、お楽しみいただくことが目的ではあるが、「ここなら、たとえ雨が降っても安心だな」と通常の予約においても成約率が上昇する可能性もある。
憂鬱な梅雨がやってきたなと思う意識から変えてみて、雨の日でもどうやったらお客さまを楽しませられるか。あるいは集客できるかという発想をしてみることも大事であろう。
アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢