【VOICE】歴史、伝統、文化をさらに深め細川文化の魅力を発信 熊本国際観光コンベンション協会 代表理事 吉丸良治氏


一般財団法人 熊本国際観光コンベンション協会 代表理事 吉丸良治氏

ビッグな事業展開に湧く熊本

 熊本は「火の国」「水の国」と言われ、それを誇りにしてきました。

 熊本市を中心とした熊本都市圏100万人の全ての生活用水は、阿蘇山からの伏流水による地下水で賄われています。豊かでおいしい水道水は市民の自慢であり、誇りです。

 その熊本に世界一の台湾積体電路製造(TSMC)の第一工場の立地が2年前に決まり、今秋からいよいよ生産開始となります。4月にはTSMC第二工場も熊本に立地することが決定し、年内着工の運びとなってきました。

 両工場の投資額は3兆円を超えるとされています。日本政府の大型支援もありますが、この超大型事業は国際的にも大きく注目されており、熊本では大きくヒートアップしています。関連する企業の立地も一挙に増えており、しばらく続きそうな勢いです。

 熊本では、100年に一度あるかといったビッグな事業展開に、新たな課題とその解決に、苦心しながらも立ち向かっています。

 九州経済調査協会はTSMC第二工場の熊本立地など、半導体設備投資による経済波及効果を試算していますが、2021年から30年までの10年間で10・5兆円になるとの推計を発表しています。これらの産業・経済面の大きな動き、うねりのような流れは、当然熊本観光にも大きな好影響を与えているのも事実です。

 また、熊本空港の国際線も台湾、韓国、香港からの乗り入れがあり、インバウンドのお客さまも目立って増えてまいりました。このような中で、これから私たち観光関係者として何をなすべきかを考えてきました。

 それは、私たち熊本が持っている貴重な「歴史・伝統・文化」をさらに深めて、内外に発信できるよう整備を進めていくことだと考えています。

 加藤清正が築いた熊本城は、熊本地震で崩落し、大きな被害を受けましたが、その姿が衝撃的であっただけに、全国のファンの皆さまからも多くのご支援をいただき、順調な復興を図ることができており、お客さまは増加の一途をたどっています。

 一方、熊本には細川文化がたくさん遺されています。加藤家の後に熊本を治めた細川家は、幕末までの240年間、「水前寺成趣園」のほか、茶道、能楽、歌学、「肥後六花」の伝統花、流鏑馬(細川流)、肥後の金工等、そして熊本の教育と医学の基盤を創り上げてきました。新千円札の北里柴三郎の活躍もその一つです。

 私たちは「細川文化に会いに行く」をキャッチフレーズに、細川文化の魅力発信に活動を広げてまいりたいと考えています。


一般財団法人 熊本国際観光コンベンション協会 代表理事 吉丸良治氏

 
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