【食と観光 訪日客4000万人時代の和食 23】味わってほしい「出汁」 まさしく和食の素 国際観光日本レストラン協会 副会長 平塚 武


 前回、インバウンド旅行者の食事に関するアンケート結果について危惧する向きもある、と書かせていただいた。
 日本に来られた海外からの皆さまに、本当の意味の和食を味わっていただきたいのは何と言っても「出汁(だし)」の味だ。和食のおいしさの素は出汁であると思う。

 昆布、かつお節、さば節、まぐろ節、椎茸、煮干し、かんぴょう、あご出汁などさまざまなものからうまみ成分を取り出し、料理のおいしさを引き立たる。

 この出汁の味は、日本全国、地方・地域により、また店によって全て異なっている。吸い物、みそ汁、煮物など、さまざまなおいしい出汁を味わっていただきたいと思う。

 日本では北海道から沖縄まで、それぞれ異なった地域伝統の食文化がある。日本人の私も地方に行くと出汁、食材など新しいおいしい経験ができる。

 旅先でおいしい食事に出会えると、旅が充実し、楽しく豊かになる。

 海外のお客さまがリピーターとして、2回、3回と来ていただいて、大都市を巡るお決まりのコースと違った、日本全国、地方のおいしい体験をしていただき、新たな感動を味わってほしい。

 食をモチーフとしたインバウンドの誘客は多大な費用、特別なハードなどを作らなくても、地元の皆さまの地域を愛する姿勢、熱意、企画、地域が一体となり、協力しあい、力を結集し、自信を持って売り出していただきたい。

 日本全国、全ての地域に素晴らしい食材、異なった出汁、食事が食べられる。普段何気なく食べている地元の食事が旅行者にとっておいしいものが必ずあると思う。

(国際観光日本レストラン協会副会長、平塚武)  

 
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