【道標 経営のヒント 299】衛生意識の高まりの中で 宮坂 登

  • 2021年9月22日

 ベンチャー企業からの依頼で、WHOの会議に提出する消毒関連製品の説明書をまとめ続けていた。WHOが危惧しているのは途上国の衛生状態で、その一助となる製品を募っていることが提出理由だ。内容には具体的なエビデンスが必要で、権威ある検査機関や大学研究室からの実証データを分かりやすく提示することが必須。その上で製品がどのような分野で活用できるのかを紙面プレゼンテーションしなければならない。

 WHOはコロナ発生前の段階で「新規抗菌薬が必要な薬剤耐性菌リスト」12種を公表している。リストは緊急度が「重大」「高」「中」の3レベルに分けられ、特に「重大」の区分には、緑膿菌、アシネトバクター・バウマニ、腸内細菌科細菌の3種の細菌が挙げられている。これらは「悪魔の耐性菌」として世界中にも警告が発せられているほどだ。

 緑膿菌は有酸素環境ならばどこにでも棲息し、院内感染の原因菌ともなる。アシネトバクター・バウマニも院内感染の原因菌で、ヒトの足指の間や脇の下に棲息し、基礎疾患で抵抗力が低下した人が罹患(りかん)すれば肺炎や髄膜炎、敗血症などを引き起こす。腸内細菌科細菌には、大腸菌や病原性大腸菌のO157も含まれる。世界中がコロナ禍に見舞われている中、身近なところにも危険な菌が数多く存在している。

 いささか専門的になってしまったが、不特定多数のお客さまと日々接する旅館・ホテルでは、コロナウイルスだけでなく、こうした悪玉菌とも日常的に戦っていることになる。スタッフの皆さんの苦労がしのばれる。消毒への意識は高まっていると思うが、特に季節の変わり目などには十分な注意が必要であることはいうまでもない。

 また温浴施設はレジオネラ菌対策として検査が義務付けられている。塩素系消毒液の匂いを嫌がるお客さまも多いが、使わざるを得ない。それでもレジオネラ菌が発生することがある。旧知の企業では、多くの宿から泣きつかれて塩素系消毒液では消えなかったレジオネラ菌の一掃を請け負っている。立ち会ったことがあるが、ある溶剤を湯船に流し込むと、数分でヘドロのようなあくが湯面に浮かび上がる。温泉にはもう入りたくないと思えるほどの劣悪さだ。その溶剤は「竹炭」からできた画期的な製品だが、厚労省に何度申請しても却下されてしまうという。コロナワクチンは渋々認めたようだが、頭の固いお役所は何とかならないものか。

 いろいろあげつらったが、民間にも素晴らしい製品が数多くある。今後も紹介していきたい。

 

 
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