【道標 経営のヒント 271】コロナが教えてくれたこと タグ広告プランナー 宮坂 登

  • 2021年2月24日

 ある宿の方から「これまでは広告で宿のいろいろな面をアピールすることばかりに努力してきた。でもコロナ禍に見舞われているさなか、Go Toキャンペーンで訪れるお客さまの様子を見ていたら、本当に『癒やし』だけを求めて来館されているんじゃないかと思うようになった。こんな毎日に疲れているのだと思う。だったら、心身ともにやすらげる部屋のことと、疲れを癒やす温泉のこと、心からおいしいと感じてもらえる食事のこと。つまり、宿の基本要素だけを分かりやすくかみくだいて伝えることが今いちばん大切なことではないかと思えるようになった」という話をお聞きした。

 いい部屋に「安価」で泊まれるというメリットもGo Toキャンペーンの側面だが、お客さまから「久しぶりに家族みんなゆっくりできた」「温泉で疲れが取れた」「夕食も朝食も夢のようだった」などの感謝の言葉を聞くたびに、宿とは本来そういうものなのだと改めて認識したという。コロナ禍がそれを教えてくれた、とも語っていた。

 広告マンの立場で振り返ってみればこの1年、どんな業界の仕事であってもコロナのことには直接触れず、そっとオブラートに包んだような表現を繰り返してきた気がする。むしろそれだけに腐心してきたといっていい。逃げ、である。本題に触れずに、それを取り巻く環境のことだけを言うような…。反省しきりである。今だからこそいちばん大切なこととして取り組まなければならないテーマを目の前に突きつけられた気もした。「はい、分かりました」という心境でいる。

 宿のウェブサイトを眺めてみる。美しい写真とともに紹介された部屋や浴場、食事。そこに実際にくつろいだときに自分なら何を感じるだろうか、と考えてみる。夕空に茜(あかね)さす時間、宿自慢の温泉に身を委ねたらどんなことを思うのだろうか。卓上に運ばれてくる料理にただ箸を運ぶだけの自分もきっとそこに存在するだろう。

 そんなことを思い浮かべながら今、多くの宿の原稿を執筆している。宿それぞれ、部屋、温泉、食事、どれをとっても違う。それらを宿固有の「強み」として言葉として表すことの難しさにもん絶しながらキーボードを叩く毎日である。真摯(しんし)、などと自分には似つかわしくない言葉も浮かんでくる。

 ともあれ、多くの宿にライターとしての心持ちや誠意みたいなものが届いてくれればいいと思いつつ、日々執筆に勤しんでいる。近々、校正を送付いたします。至らないところがあったら、忌憚(きたん)なく指摘してください。お願いします。

 
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