人手不足について危機感をあおるニュースは世にあふれているが、具体的な解決策まで言及したものは非常に少ない。今回コラムでは、採用活動を円滑に進めるための求人票の作り方を説明しよう。
初歩的な内容であるが、今回紹介する作成法を実践した、あるホテルの総支配人から新卒採用に成功したと感謝の声をいただいている。皆さまの旅館・ホテルでもぜひ取り組んでほしい。
求人票は仕事内容、給与、待遇、賞与、昇給、転勤、社会保険、勤務時間、休日・休暇、福利厚生、残業時間、有給取得実績、教育研修制度の13項目で構成するのが一般的である。これらの項目が求職者にとって魅力的なものでないと応募を敬遠されたり、会社側が求職者の質問に明確に答えられなかったりという問題が発生する。順に書き方を説明しよう。
1、仕事内容
フロントや接客、予約などの係名だと、業界経験のない人はどんな仕事をするかイメージできない。具体的な仕事内容を細かく箇条書きでまとめてみよう。文例としては、「チェックイン・チェックアウト業務、予約受付・電話応対、部屋の割り振り、データ入力、顧客管理、商品プラン企画、一般事務」などが挙げられる。
2、給与
大学卒、専門学校・短大卒、高校卒ごとに初任給を明示しよう。単独店舗の場合は、チェーン店よりも若干高めの設定の方が良い。高すぎると、仕事が大変なのではないか、何か隠れた理由があるのではないかと勘ぐられてしまうので高くなりすぎないように気を付けよう。
文例としては、「大学卒21万円、専門・短大卒19万円、高校卒17万円。中途採用者は17万~45万円(経験能力により優遇)」などが挙げられる。給与の相場は地域によって異なるので調べてみてほしい。
3、待遇
皆さまの会社の賃金規程に記載されている手当を全て書き出してみよう。手当の数が多いほど待遇が良いというわけではないが、少ないと応募者が集まりにくくなる。また、書けるものが少ない場合は、賃金規程を見直す良い機会なので充実させることを検討してみよう。
文例としては、「通勤手当、時間外手当、役職手当、資格手当、管理職手当、扶養手当、休日出勤手当、深夜勤務手当、住宅手当、食事手当」などが挙げられる。
(アルファコンサルティング代表取締役)