【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン367】すぐできる人材採用 定着化対策テクニック その3 青木康弘


 前回に引き続き、すぐに取り組める人材採用・定着化のための対策テクニックを紹介しよう。人材不足のために、せっかくの増収のチャンスを逃してしまったり、口コミ点数が下がってしまったり、再生プランが達成できなくなったりという問題が日本各地で起きている。検討に時間を費やすのではなく、今できることをすぐに取り組もう。
 ■高校新卒採用に挑戦

 高校新卒スタッフは、会社の色に染めやすく体力もあるため戦力として期待できるが、採用活動をしっかりと行っている旅館・ホテルは意外に少ない。過去行っていたが、人事担当者の退職や高校からの推薦が途絶えたことなどを理由に、いつの間にか辞めてしまったというケースが多い。採用のコツを理解して再度挑戦してみよう。

 高校新卒の採用活動はハローワークに6月下旬に求人申し込みするところから始まる。大手の工場が立地する地域では、条件の良い求人が多くなる傾向にあるため、採用時の月給や待遇が他業種と比べて劣っていないかチェックしよう。もし、劣位であることが明らかであるならば、就業規則や賃金規程、諸条件を今のうちに見直すことをおすすめする。

 職場の魅力を伝える会社案内の作成も今のうちから準備を始めよう。旅館・ホテルの業務内容や求める人材イメージについて、進路指導の先生に理解してもらうために必要なものだ。

 仕事の魅力や具体的な業務内容(写真付き)、研修制度、先輩社員の声、高校別採用実績(中途含む)など、先生が好むものをまとめると良いだろう。

 お客さま向け3つ折りパンフレットでは、先生や学生に仕事内容を正確に理解してもらうのは難しい。面倒でも新しく作ることをおすすめする。入社してからイメージと違ったという理由での退職を避けることにもつながるだろう。

 旅館・ホテル業の労働環境について、進路指導の先生や保護者がネガティブなイメージを持っている場合には、学生を積極的に推薦してもらうことは難しい。学校訪問時には、魅力的な職場になったこと、人材定着策の内容について先生に理解してもらえるよう準備しておきたい。

 (山田ビジネスコンサルティング事業企画部部長)

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