【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 639】インボイス制度の賢い対応法5 青木康弘

  • 2022年12月6日

青木氏

 前回に引き続き、インボイス制度の賢い対応法について説明しよう。来年10月1日よりインボイス制度が導入される。インボイス制度とは、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式をいう。今回の制度改正は旅館・ホテルの日常業務に大きな影響を与えるものである。また、情報システムの改修も必要となってくる。今のうちから理解を深め準備を進めておこう。

 インボイス制度への準備は、経理部門だけで対応することはできない。社内の部署ごとに業務手順の見直しが必要となる。

 (1)フロント・売店部門

 フロントや売店で手書きの領収証を使用している場合は、インボイス制度に対応した書式のものに変更しよう。市販されているもので問題ないが、登録番号の記入や社判、角印の押印が面倒であれば、自社オリジナルのものを印刷会社に依頼したい。

 フロントで売店商品の精算を行っている場合は、インボイス制度に対応したフロント会計システム(PMS)、レジ(POS)の導入をお勧めする。インボイス制度導入後は、10%、8%の税率ごとに区分した合計額に対して消費税を計算しなければならない。いちいち電卓で計算すると領収証の作成に時間がかかったり、ミスが多発したりしやすくなる。

 (2)営業部門

 営業部門でエクセル等のアプリを使って独自の見積書、請求書等を作成している場合は、テンプレートをインボイス制度に適合したものに修正しておこう。請求書の書式に準じ、納品書や領収証、売り上げ明細書、契約書の書式もまとめて修正しておきたい。請求書等の作成に販売管理ソフトを使用している場合はインボイス制度への対応が実施されるか確認しておこう。

 自社が免税事業者(適格請求書等が発行できない事業者)を選択する場合は、見積書において消費税をどのように提示するか検討しておこう。取引先の中には、免税事業者には消費税相当額を支払わないと考える先が出てくる可能性がある。消費税相当額を従来通り請求するか、自社が負担している仕入れに係る消費税相当分を請求するか、消費税の表示は行わず取引価格に含めて請求するかインボイス制度開始前に決めておきたい。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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