【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 493】すぐに効果が出る経費削減のコツ2 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘

  • 2019年10月28日

 前回に引き続き、すぐに効果が出る経費削減のコツを勘定科目ごとに紹介しよう。好況に見える観光業界であるが、政情不安や災害の影響を受けやすいというリスクを軽視してはいけない。多くの利益が出たからといって節税を名目に経費を使い過ぎてしまうと、万が一の時に資金繰りに窮することになる。好況に見える今だからこそ経費の引き締めを行いたい。

 3、給与手当

 人手不足や最低賃金上昇による時間単価の上昇、働き方改革関連法施行による必要人員数の増加により、売上高に対する人件費率が上昇していないだろうか。時間単価を抑制していると新規採用が困難となり、人手不足を補うために派遣会社への外注費が膨らむという悪循環に陥る。

 このような状況を解決するには、労働環境の改善や就業規則、ハウスルールの見直しによりスタッフの定着率を高めることが大切だ。スタッフが職場に不満を持っている状況では、高額の求人広告費をかけて採用活動しても、就職者より離職者の方が多くなり問題の解決にはならない。スタッフの定着率が改善したら、業務の内容や進め方を見直して人件費を抑制すると良いだろう。

 大型施設の場合は、仕事の効率が悪く待機時間の長い部署が存在するケースがある。このような部署を見つけたら、業務プロセスを見直した上で、人手不足の部署に異動させるなどの施策が考えられる。中型以下の施設の場合は、職場の人間関係がスタッフの士気低下、離職率増加の原因となっていることがある。問題あるスタッフは放置せずに、経営者自らしっかりと措置を講じることが望ましい。

 4、退職金

 安易な気持ちで退職金制度を導入していないだろうか。企業として責任ある姿勢を示すことは大変重要であるが、資金の裏付けがないとベテラン社員の退職が重なった時に思いもよらない経費増になる。また、M&Aによって売却する時にスタッフ全員に一括して退職金を支払わなければならないケースがあるので注意したい。

 退職金制度を導入するのであれば、外部積立を行うことが望ましい。大企業の場合は確定給付企業年金や確定拠出年金(企業型)、中小企業の場合は中小企業退職金共済制度(中退共)を検討すると良いだろう。後者の加入手続きは非常に簡単だ。

 税制面の優遇を受けることもできるので、利益計上しているタイミングで思い切って外部積立に切り替えることをお勧めしたい。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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