【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 429】すぐできるプールの活用法1 青木康弘


 皆さまの旅館・ホテルのプール設備は有効活用できているだろうか。高額の初期投資と維持費がかかっている割に集客につながっていないという悩みも多いのではないだろうか。特に終日営業しない旅館の場合、運営上の工夫も必要となる。今回コラムでは、最小限の追加費用でプールを集客に結びつけるためのポイントを紹介しよう。

 1、終日利用できるようにする

 プールの利用時間は、日中の利用であれば9時から18時、夜間であれば18時から22時の間営業することが望ましい。チェックインからチェックアウトまでの時間帯しかプール営業しないのであれば集客力は期待できない。中抜け勤務を行っている旅館の場合、シフトパターンの見直しやマルチシフトへの移行、夏季限定アルバイトの採用などの工夫が必要だろう。

 2、キャッシュレス対応できるようにする

 お客さまがプールサイドに現金をお持ちになると盗難などトラブルの原因となる。使い捨てのリストバンドなどによる後清算の仕組みを導入したい。キャッシュレス対応することで料飲や物販売り上げを伸ばすことも期待できる。

 3、有料アイテムを増やす

 浮き輪(フロート)は200円から400円、水着は300円程度で貸し出すと良い。一般的な浮き輪ではなく、貝殻や空想上の動物、食べ物などを模した写真映えするフロートが良いだろう。ネット通販で1個3千円から1万円程度で仕入れることが可能だ。ナイトプールも予定しているならば、LEDで光るビーチボールもおすすめだ。

 4、幼児向けのアイテムをそろえる

 プールに入れない幼児向けのアイテムを充実させよう。例えば、水で書けるお絵かきボードやお菓子のつかみ取り、幼児用ミニプールや滑り台などを用意すると良いだろう。昨年夏に来館されたお客さまの年齢層やグループサイズ、出発地のデータを参考に、ターゲットとすべき顧客層を決めると良いだろう。

 若い家族客や3世代グループを獲得したいならば幼児向けのアイテムを充実させることが望ましい。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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