【観国之光 368】新年度スタート コロナとの共生覚悟必要? 本社論説委員 内井高弘


多くの観光客でにぎわう京都市の蹴上インクライン。まん延防止措置も解除され、人の表情も心なしか明るい

 新年度がスタートした。まん延防止等重点措置が全国的に解除され、人の動きも活発化してきた。しかし、新型コロナウイルスの新規感染者の減り方は鈍り、岸田文雄首相は4日、「一部でリバウンドが起こっている」との認識を示した。加えて、円安や物価高など消費意欲にブレーキをかける動きもあり、先行きはやや不透明だ。

 いまのところ、ゴールデンウイーク(GW)を前に観光地もにぎわいを取り戻しつつある。まん延防止等重点措置の解除が外出(旅行)意欲を刺激しているのに加え、政府の観光需要喚起策が後押しする。旅行費などを割り引く「県民割」で、これまで居住する県内や隣接県に限られていた対象が、1日から「地域ブロック」に拡大された。

 全国を6ブロック(北海道・東北、関東、北陸信越・中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄)に分け、出発地(居住地)と到着地(宿泊地)の都道府県同士の同意を条件に各ブロック内の旅行を補助対象とすることにした。GW前、28日の宿泊分まで、1人1泊最大7千円が支給される。

 旅行者が利用するにはワクチンの3回接種か、検査での陰性証明が必要だが、12歳未満は保護者同伴を条件に検査は不要となる。

 旅館・ホテルにも問い合わせが相次いでおり、「4月の予約は3月の倍になった」という施設もある。

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