【観国之光 223】東京オリパラ 開幕2年前、徐々に活気 本社論説委員 内井高弘


24日のカウントダウンイベントの模様(東京2020組織委員会のHPから)

 2020年東京オリンピックの開幕2年前にあたる7月24日、東京スカイツリー(墨田区)でカウントダウンイベントが開かれた。パラリンピックの開幕2年目にあたる8月25日にはメガウェブ(江東区)で同じくカウントダウンが行われる予定で、近づくスポーツの祭典へ、ムードが盛り上がりつつある。

 22日には大会マスコットの名前が発表され、五輪の「ミライトワ」、パラリンピックの「ソメイティ」が姿を見せた。マスコットはデジタル世界の住人で、インターネットを通じて現実の世界を行き来する設定。Tシャツやタオルなどの関連グッズも人気で、公式オンラインショップには注文が殺到しているとか。

 また、30日にはオリパラの開閉会式を演出する総合統括に狂言師の野村萬斎が決まったと発表された。萬斎さんは東日本大震災の「鎮魂と再生」を主題の一つに挙げ、「復興五輪の名に恥じないよう、シンプルかつ和の精神に富んだ五輪・パラリンピックになるよう全力を尽くす」と抱負を述べた。

 五輪・パラリンピックの華やかさばかりに目を奪われがちだが、東京開催が決まった時、「復興五輪」にすべきだとの意見が多くあった。未曽有の震災から立ち直りつつある日本の姿を五輪・パラリンピックを通じて発信するんだという思いを、われわれは再認識すべきだ。

 その意味では、聖火リレーが福島県からスタートすることになったのは復興五輪の理念に沿ったといえる。20年3月26日から開会式のある7月24日まで、移動日を含めて121日間のリレーになる。

 ちなみに、ギリシャで採火された聖火の日本の到着地は、震災で被災した航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)になるという。

 アスリートがどんな活躍を見せるか今から楽しみだが、気がかりなのがこの暑さだ。選手はもちろん、観客の体調も心配だ。五輪・パラリンピックのツアーを催行する旅行会社の苦労も想像に難くない。万全の態勢で臨んでもらいたい。

 「なんでこんな時期にやるのか」と思うが、国際オリンピック委員会が夏季五輪を7月15日から8月末までの間に開くよう求めているためだ。背景には巨額の放映権料を支払う米テレビ局への配慮がある。「商業主義もいい加減にしろ」と言いたくもなる。

 また、ここにきて「サマータイム導入」の話も出ており、五輪・パラリンピックは何かと話題になる。

 五輪・パラリンピックは観光業界にとっても一大イベントで、本当の意味での観光先進国になれるかどうかの、まさしく試金石となる。


24日のカウントダウンイベントの模様(東京2020組織委員会のHPから)
  

 
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