【観光業界人インタビュー】ANAセールス社長 白水 政治氏


ANAセールス社長 白水 政治氏

ANAセールスのかじ取り

売上高目標は1751億円 地方との連携を重視

──社長就任の抱負からうかがいたい。

 「当社はANAの営業部門を担っている。お客さまをしっかりとつかんで収入の最大化を図ると同時に、旅行会社として収益を上げていく。海外旅行の取り扱い増加と収益の確保が課題だが、羽田空港発着枠の拡張もあり、伸びしろは大きい。ANAの展開に遅れないよう、商品造成などをスピーディーに進めたい。国内旅行や訪日旅行も、しっかりとやっていく」

──4月からの消費増税の影響は。また、今年度の目標額については。

 「影響が全くないとはいえないが、お客さまの旅への欲求は根強く、体験型や着地型ツアーなど、新たな視点で商品を開発し、需要を開拓していければそう大きな影響はないと見ている。売上高は1751億円、前年度比103%を見込んでいる」

──今年度の国内旅行の状況は。

 「昨年は東京ディズニーリゾート(TDR)が30周年で関東方面が非常に好調だった。今年はその反動が出ると心配していたが、想像した以上に踏ん張っている」

──関西の観光はどう見ていますか。

 「あべのハルカスの開業は関西の観光にとって追い風だが、7月オープンするUSJの新アトラクション、ハリーポッターは間違いなく当たると思う。昨年、来場者数が1千万人を超えたが、今年はさらに増えるだろう」

──格安航空会社(LCC)については。

 「LCCは、段々フルサービスキャリア化してきている。LCCは新しい需要を開拓しており、消費者の選択の幅を広げたことは評価したい」

──LCCへの商品提供は。

 「バニラエアに対して『バニラエアバケーション』を作っている。バニラにはダイナミックパッケージ(DP)の仕組みがないが、ゆくゆくは販売する方向に向かっていくと思う。ピーチは商品の提供の依頼があれば検討していく考えだ」

──DPの取り扱いはどうですか。

 「ニーズは着実に増えているし、重要な販売チャネルの一つだ。利用者も20代から60代まで幅広い層に広がっている。パソコンが苦手な人でも使いやすいよう操作性も向上させ、スマホにも対応している」

──地方との連携については。

 「交通インフラであるわれわれに対する期待の大きさを実感しており、キャリアとしてそれにこたえる責務がある。商品内容の一層の充実や機内キャンペーンなどでそうした声にこたえていきたい」

 「羽田拡張の影響は東京よりもむしろ地方の方が大きく、特に羽田が国際化していることに注目しているようだ。地方自治体にとってはインバウンドを受け入れやすくなったし、羽田経由の海外旅行に行きやすくなった」

──汐留から日本橋へ移転した。狙いは。

 「マーケットに近いところで営業活動をすべきだという考えで移転した。1階には旅行セミナーなどを行うワンダーラウンジを設けた。他企業とのコラボレーションによるセミナーによる新規顧客へのアプローチや、新商品の説明会などを行っていく」

──趣味は何でしょう。

 「歩くこと。100キロウオークもやるし、自転車も好きで、ツール・ド・沖縄に出た。三線も弾き、歌も歌う。学生時代は少林寺拳法もやっていた。とにかく趣味はいっぱいある(笑い)。アウトドア派で、家でじっとしていられない」

【しろうず・まさはる】
西南大法卒。1980年ANA入社。2011年大阪支店長副支店長兼ANAセールス出向。12年4月ANA執行役員大阪支店長兼ANAセールス取締役。今年4月から現職。福岡県出身、57歳。

ANAセールス社長 白水 政治氏

 
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