【観光業界人インタビュー】ホステルワールド Asia Office Manager  パロマ・メン氏


ホステルワールド Asia Office Manager  パロマ・メン氏

欧米人は旅館に魅力感じる

世界最大の安宿サイト

──ホステルワールド(http://www.hostelworld.com/)はどんなサイトか。

 「99年にアイルランドの首都ダブリンで生まれた。アバロン・ハウスというホステル(安宿)の経営者、トム・ケネディと、IT技術者のレイ・ノーランという当時30代半ばの2人の男が、パブで毎晩のようにビールを飲みながらアイデア交換を重ね、バジェット・トラベラー(安い旅行好き)とバックパッカー向けの専門宿泊予約サイトを世界で初めて開設した」

──対応言語は。

 「日本語を含め23カ国語に対応している。世界共通言語である英語での利用が圧倒的に多い」

──利用者層は。

 「主に18歳から35歳。最近ではリタイアしたシニア層の利用が増えている。世界で他に類を見ない日本独特の宿泊施設『RYOKAN』と『MINSHUKU』はシニア達に特に人気が高い」

──日本への送客は伸びているのか。

 「08年は毎月、前年同月比で150〜200%の実績だった。リーマンショックの影響も受けなかった」

──利用会員数は。

 「世界で500万人以上。会員にならなくても利用できる。会員には専用SNSへの参加などの特典がある」

──仕組みは。

 「利用者には1回2米ドルのブッキングフィー(予約手数料)がかかる。これに宿泊料の10%のコミッションを足した額がホステルワールドの収入だ。予約成立と同時に利用者のクレジットカードから2米ドルと宿泊料の10%を引き落とし、残りの90%は現地で宿に直接支払ってもらう。キャンセルの場合でも2米ドルと10%は返却しない。ノーショウ(無連絡での不泊)の場合は、1泊目の全額(90%)を宿がカードにチャージする」

──日本では何軒の宿が参加しているのか。

 「約400軒。実際に稼働しているのはそのうち300軒位だ。旅館と民宿が多い。ユースホステル、カプセルホテル、簡易宿泊所も入っている。日本の宿泊施設は世界一多様性に富んでいる」

「ビジネスホテルはほとんど入っていない。欧米人にとっては異文化の魅力に乏しく人気がないからだ」

──参画している旅館、民宿は、宿泊客に英語で対応しているのか。

 「宿は言葉の問題を全く気にする必要はない。ホステルワールドの利用者は、自国語が通じると思って来日していない。身振り手振りのコミュニケーション、それ自体が楽しいという客層だ」

──参画したい宿はどこに連絡すればよいのか。

 「日本語でhostelworld@nyc.odn.ne.jpにメールを送ってほしい。加盟料は無料だ」

──ホステルワールド内での日本市場の位置づけは。

 「中国市場と並ぶ今後の最重要ターゲットだ。弊社は、ダブリン本社に90人、01年開設のシドニー事務所に3人、06年開設のアジア(上海)事務所に責任者の私を含め4人のスタッフがいる。大事な場所に人員をあてている」

「先進国の中で、これほど滞在費が安く、治安がよく、公共交通機関の整っている国はない。しかも風光明媚。潜在力がとても高い」

【Ms.Paloma Meng】
2000年にロンドン市立大観光学科を卒業後、米ハイアット、ドイツで1位のホテル予約サイトHRS.comを経て、06年7月から現職。上海市出身。31歳。

ホステルワールド Asia Office Manager  パロマ・メン氏

 
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