【竹内美樹の口福のおそわけ 240】北国の「風」 その3 竹内美樹

  • 2018年9月14日

 「HAKODATE 海峡の風」の「Blue Seasons」でいただいた夕食、前号に続いていよいよ「ザ・寿司(すし)」の登場。

 まずは、津軽海峡産漬けマグロ。ルビー色に輝く赤身は、口の中でねっとりと舌にまとわりつき、味わいが増幅する。ちょうど良い漬け加減だ。平内産活ホタテは、とびきりの甘さ。その後八戸産〆サバ、ボタンエビなどさまざまな握り寿司を堪能。軍艦巻きが定番のイクラは、函館名産のがごめ昆布から作った、おぼろ昆布で巻いたシャリの上にイクラを載せたスタイル。締めは料理長特製玉子ロール。すり身の入った「ギョク」を薄めに焼き、シャリを巻いた物だ。しっかりとした技術に裏打ちされたオリジナリティが素晴らしい。

 留椀に青森県十三湖産しじみの澄まし汁をいただき、同館パティシエの手作りスイーツでフィニッシュ、大満足であった。

 実はバイキング「青函市場」も気になっていた筆者、事前にご次男で執行役員営業副本部長の野口晶弘氏に見学をお願いしてあった。いつもワガママなリクエストに細やかに応えて下さる、頼もしい存在である。おかげで、夕食前に見学しながら、同館執行役員支配人佐々木毅氏にお話を伺うことができた。

 テーマは店名の通り「青函」。青森と函館の食材をふんだんに取りそろえており、特に津軽海峡の新鮮な海の幸を楽しんでいただきたいと、肉料理は一切提供していないという。お肉が食べたいというお客さまには、西洋ハイカラ料理「函館銀座軒」をご案内するそうだ。

 注文料理コーナーでは、マグロのサイコロステーキなど、オーダーしてから調理してくれる。席ごとに用意された番号札を渡せば、スタッフが出来たてを届けてくれるシステムだ。同じく「炉ばた浜ちゃん」でも、開きホッケやツブ貝、イカ串、とうもろこしなど、カウンター越しに注文すれば、焼きたてが席に届く。

 バイキングの充実度は、朝もすごかった。「朝の海鮮五色丼」という札の前には、漬けマグロ、イカ、ホタテ、タコ、サーモンの刺身が並び、朝食でも手を抜かず、手作り土佐しょうゆの他、イカ刺し専用とホタテ刺身専用のしょうゆまであった。

 モチロン注文料理も健在。「選べる出来たて熱々卵料理」と題して、マグロカツの卵とじや海鮮オムレツなどが並び、「浜ちゃん」ののれんを下ろして朝の顔になった炉端焼きでは、自家製かまぼこや道産のサケ、アスパラガス、八戸産のサバなどの他、「いくらの炙(あぶ)りめし」が。焼きおにぎりに、こぼれんばかりにイクラが載ったものだが、朝からホントにぜいたくだ。

 ボタンを押すと1杯分のみそ汁が出て来る機械に、道産米と道産大豆、羅臼の塩を使用したみそとの表示が。色々なこだわりが随所に散りばめられ、脳からも食欲が刺激される。

 これで野口観光道内の「風」シリーズを制覇したワケだが、それぞれに全く異なるコンセプトが際立ち、野口秀夫社長の企画力には脱帽するばかりだ。さぁ、次はどこへ行こうか?

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

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