【私の視点 観光羅針盤 279】DXは感動補完で再来促進に 地域ブランディング研究所代表取締役 吉田博詞

  • 2021年3月22日

 コロナの影響が1年を超え、市場が元に戻るにはまだ数年かかるという予測がどこでも叫ばれるようになってきた。われわれも認めたくはないが、それを徐々に受け入れていく必要性が出てきている。変化に適応して、いかに生き残っていけるかがポイントとなってきている。そんな中で、最近より加速しているのがデジタル活用だろう。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の言葉に代表されるように、デジタル技術を活用して新たにイノベーションを起こしていこうという動きはより顕著になってきている。

 予約、決済、在庫管理のデジタル化に加え、案内や移動効率化の補完機能、CRM・顧客管理システムの側面、各種分析等、多方面のデジタル化が進んでいくことで非常に効率化が期待される。時間がかかると想定されていたこの分野が一気に変化していくということは、先に導入し成功した人たちが業界をけん引していくことになるだろう。

 デジタルは効率化や足し算で語られがちな状況があるが、もう一つ意識していってもらいたいのが、感動体験補完をするという概念である。自然を相手にするものや時季が限られた体験の場合、いつでもベストなものが体験できるわけではない。晴天時しか見られないものや、満月あるいは新月の時がベストであったり、気温によって違ったりと天候に左右されることは非常に多い。

 「ベストなタイミングで来れば、ここから富士山が見られるんですけどね~」等と言われて、残念な思いをしたことがある人もいるだろう。その時、言葉だけでは分からないところを、写真を見せられたりすると素晴らしい、すごそうだと感じることも多いだろう。

 そうした際にデジタル技術のVR等で、もしベストな条件が整った際の様子を体感できたりすると、その情景に驚くとともに、それほど素晴らしいなら今回の経験が悔しい、もっとベストなタイミングでぜひ再チャレンジしたい、という動機付けにつなげていける可能性があるだろう。

 そして、補完があれば、あの場所はがっかりだった、ではなく、他の人に語り継ぐ時も、ベストな条件ならすごい場所のようだけれど、今回はタイミングが悪かったといった形で、クチコミにおいても悪い評価をすることはなくなってくるように感じる。

 併せて、遭遇確率をHP等で例年なら20%というように、正直に伝えておくのも方法だろう。仮に遭遇確率40%とすると、遭遇できたら運がよかったといえるし、できなければあともう1~2回来れば遭遇できそうといった次への期待が上がってくるだろう。そこに、リアルのナビゲーターがしっかりとその価値や期待を伝えてくれれば、大いなるリピーター確保の機会が生まれる。

 このようなサイクルでデジタル技術を活用していければ、もっともっと多くのリピーターを確保でき、来訪者満足度を上げていけるに違いない。そんな活用事例がもっと増えていってくれることを期待する。

 (地域ブランディング研究所代表取締役)

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