【私の視点 観光羅針盤 269】アドベンチャーツーリズム発展年 地域ブランディング研究所代表取締役 吉田博詞

  • 2020年12月28日

 2020年は非常につらい年になった。日本がオリンピックを含めて、世界に日本の価値を届けていける拡大の年になることを誰もが期待していた。観光業界にここまで大きなダメージが来て、影響が各所に及ぶことは想像もしえなかったことであった。

 日本の地域創生の文脈においてインバウンドを一つの突破口に、と各種準備をしてきた方々においては、コロナからの回復が当初の想像以上に時間がかかることを冷静に受け止め、知恵を絞ってトライアンドエラーでアクションを続けた方々が多かったことは非常に心強い。

 21年はアドベンチャーツーリズムが日本全国で発展する年となるだろう。コロナの影響で自然・アウトドア系の需要が高まった中で、それが一気に社会的浸透をしてプレゼンスを上げていく年となるに違いない。

 アドベンチャーツーリズムとは「異文化」「自然」「アクティビティ」の3要素のうち、二つ以上で構成される旅行のことをいう。また、旅行者が、地域独特の自然やありのままの文化を地域の方々と共に体験し、旅行者自身の自己変革・成長を目的とする旅のことを指す。

 アドベンチャーという言葉から、とかくダイナミックな冒険的な要素を兼ね備えた形式をイメージされがちであるが、地域らしさとの接点を持つ要素としてアクティビティが位置付けられている。SDGsの概念にもつながるような地域の社会・雇用・文化持続性、環境への配慮等をしながら展開されるプログラムというふうに理解してもらえるといいだろう。

 23年には世界で147兆円まで市場が拡大するといわれている。このアドベンチャーツーリズムの世界大会ATWSが21年の9月20~23日に北海道で開催予定であり、コロナの収束状況次第ではあるが、60カ国から関係者が集まりエクスカーションも予定されている。

 このテーマに興味を持つのは、比較的所得水準の高い方々である。長期滞在を好み、消費金額のうち地域で実際に使ってくれる金額の割合が多いのも特徴で、非常に経済波及効果が高い。

 アドベンチャーツーリズムの定着においては、ガイド養成やプログラムの開発・品質管理といった点が非常に大事になってくる。地域連携の在り方を含めて考えていけると、波及効果は非常に大きなものになるだろう。

 日本で先進的に取り組んできた北海道阿寒エリアでは、1プログラムが1万円近くするような企画でも、続々と日本人の予約が入ってきているという。これまで潜在的な需要はあったが、プログラム化されていなかったのがこの領域であり、コロナの影響でその需要も一気に拡大していっている。コロナで社会の在り方がシフトしてきている中で、社会変化をチャンスとして捉えてアクションし続けていければ、日本全国の地域資源がより輝きを取り戻す年になっていくに違いない。

 今こそ、地域らしさ・価値を再認識・定義した上で、持続的なプログラム化をしていきたい。日本の再生を信じている。

(地域ブランディング研究所代表取締役)

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