◆コロナ禍で伸び続ける「デジタル接客」
新型コロナウイルスの感染拡大以降、店舗型ビジネスを展開する企業は、長期的な休暇を余儀なくされた。ホテル、旅館業の方は2カ月、3カ月間、お客さまをお迎えできなかったかと思う。
その中、店舗のリソースを使いながらオンラインを通じて接客することが「デジタル接客」。某大手百貨店は今年5月から、Zoomを活用したランドセルの販売をスタートした。予約制で1組40分、開始後約2週間の間で50組をデジタル接客し、約5割が成約する成果につながったようだ。
ある旅館の取り組みで、休業期間中に惣菜販売免許を取得し、ECサイトでお鍋セットを販売したところ、リピーターを中心に購入いただき、休館中の売り上げ補填(ほてん)につなげたようだ。
宿泊を希望されるお客さまの中には、より詳しくホテルや旅館の情報を必要とされる方がいる(例、バリアフリー対応を必要とされるお客さま)。口コミやウェブサイトの掲載情報だけでは判断できず、電話やメールでお問い合わせがくることが多い。そういう方向けに「デジタル接客」を活用し、お客さまの不安解消につなげる。事前にオンラインでコミュニケーションすることで、来館された時には、顔見知りのようなスムーズなコミュニケーションがとれると思う。
年末に向けて、おせちの販売を行うホテル、旅館では、販売するおせちがどのようなこだわりで作られたか?を料理長自ら紹介するオンラインウェビナーを開催し、商品をPRする。余ったおせちを活用した料理メニューの紹介など、食べ残しへの配慮も行ってみる。
今では、予約したお客さまとの接点は、ホテル、旅館に来てからがスタートだったが、世の中にオンライン会議やオンラインコミュニケーションが浸透する中で、デジタル接客が上手なホテル、旅館が選ばれる時代になるかもしれない。
「デジタル接客」を準備し、来年にGo Toトラベルが終わり、消費が落ち込むタイミングでも勝ち続けるホテル、旅館になっていただきたい。
(コレリィアンドアトラクト代表取締役)