【焦点課題】パラダイスセガサミー 常務 日本市場企画運営本部長 青山茂樹氏に聞く

  • 2020年4月17日

青山常務

セガサミーホールディングスの海外ホテル事業

優雅な週末「ホカンス」で人気 初心者も楽しめるカジノ提案

 ――セガサミーホールディングス(HD)が韓国・仁川でパラダイスシティを開業して3年がたったが。

 「ホテルは2017年に開業。韓国・ソウルから車で約1時間半の仁川広域市・仁川国際空港のすぐ側にある。開業当初は、ホテルの中に大きなカジノがあるだけだったが、19年3月にはエンタテインメント施設が全て完成するなど、第1期の開発が終了した。以前は荒れ地だった場所に、統合型リゾート(IR)が誕生し、この出来上がりとなったことはとても感慨深い」

 ――入り込みは。

 「現在は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けているが、極めて順調に成長している。1、2年目は、(1)ホテル(2)カジノ(外国人専用)(3)コンベンション―の三つの機能を備えるだけだったが、18年秋からエンタテインメント施設を開業し始め、国内外からたくさんの人が訪れるようになった。稼働率だが、週末はほぼ満室で、平日は6~7割ぐらい。カジノVIPの突然の訪問にも対応ができる態勢を整えている」

 ――ホテルの特徴は。

 「韓国初のIRであること。また、全天候型エンタテインメントテーマパークやスパ、商業施設があることも強みであり、家族、カップルが多様に楽しめる施設となっている」

 ――カジノの利用客は。

 「半分は日本人で中国人も多い。より多くの日本人にカジノを知ってもらうため、セガサミーグループが日本市場のプロモーションを担当している。初めて訪れても楽しく安心して遊べるカジノ場となっている」

 ――売れ筋商品は。

 「今は、韓国のファミリー層を一番のターゲットとしてパッケージを作っている。最終的にはIRとしてカジノを中心とした取り組みを考えているが、国外から来てもらうには、まずは韓国の方に来てもらい、はやっている場所として認知され、基礎を作ることが重要だ。韓国の人に週末を過ごしてもらうため、ホテル内にはプールのほか、キッズルーム、ゲームコーナーを設け、全て宿泊料金の中にインクルードしている。韓国では家族やカップルがホテルで優雅な週末を過ごすホテルとバカンスを足した『ホカンス』という言葉が浸透しており、ここパラダイスシティも、五つ星ホテルや付帯施設のラグジュアリーな雰囲気が好評を得られ、ホカンスの目的地として選ばれるようになった。仁川空港は日本からも飛行機で約1時間半と、ソウルから車を使用した移動時間とそう変わらない。皆さんが思うより近い場所に日本にはまだ存在しない新しいリゾートがある」

 ――日本への発信は。

 「日本人の約9割は、カジノの経験がなく、抵抗を持つ人も多いのが現状だ。パラダイスシティにはセガサミーから約60人が出向している。世界で一番日本人に優しいカジノとして、日本人を対象にしたカジノ初心者講座、ゲーム大会、ツーリストイベントなどを日本人スタッフが企画の中心となり行っている」

 ――グループの中での立ち位置は。

 「元々セガサミーは、パチンコ・パチスロを開発するサミーとエンタテインメントコンテンツを手掛けるセガが一緒になった会社。グループを見据えた際、第三の基軸としてリゾート事業に力を入れている。リゾート事業は、宮崎県でフェニックスシーガイアリゾート、北海道でノースカントリーゴルフクラブ、そして韓国でパラダイスシティを展開。将来を踏まえた、セガサミーならではの新しいビジネスを展開している」

 ――韓国ホテル市場は。

 「パラダイスシティやロッテホテルワールドをはじめとしたラグジュアリーな高級ホテルと、インバウンドも狙った低価格路線のホテルの二極化が進んでいる。カジノは、韓国と中国の政治的問題で中国市場はピークより落ちているが、改善して開放されれば需要は一気に高まるはずだ」

 ――将来ビジョンは。

 「まずは、現状のベースを持って伸びる成長カーブをさらに飛躍させる。そして、先には日本のIRがある。日本企業ならではのIRを、これまでのノウハウを生かして実現したい。カジノは、日本企業、日本市場にとって初めての経験となる。特にカジノは労働集約型の産業であり、非常に多くのディーラーや管理者を抱えることになるが、そこにセガサミーならではのパラダイスシティで培ったおもてなしの技術や仕組みがあれば、世界の中で強みとなる新しいスタイルが生み出せると確信している」

 ――日本のカジノへの参入は進行しているのか。

 「セガサミーグループの夢として着実に歩んでいる。今年の1月末に横浜で開催された産業展では、世界的なカジノオペレーターと肩を並べて出展し、セガサミーのIR構想をPRした。社会的な課題を持つ日本初の産業であるからこそ、日本企業がしっかりとリードする必要がある」

あおやま・しげき=1997年にセガに入社。本社店舗開発部などを経て、2007年から上海に7年間赴任し、AM施設運営会社の社長、中国市場向けのゲーム機の製造販売会社の副社長として現地法人を指揮した。14年から現職。

【聞き手・長木利通】

 
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