【焦点課題】ジェイアール東海ツアーズ 代表取締役社長  佐藤一哉 氏に聞く

  • 2020年9月1日

佐藤社長

開業30周年の取り組み

販売回復、経営体質を強化 JR東海と連携し商品展開

 ――4月1日に30周年を迎えたが。

 「年初から30周年キャンペーンを開始した直後に、コロナ禍を迎える形となり、極めて難しい状況にある。社員一丸でこれを乗り越え、真の意味で社史に残る記念すべき年としたい。感染拡大防止に最大限努めながら、政府が主導する『Go Toトラベルキャンペーン』、当社独自の『30周年キャンペーン』、昨年稼働した『価格変更機能』などを搭載した新基幹システム『プラネットⅣ』の機能を活用し、販売回復と経営体質の強化を成し遂げる」

 ――30年間で印象に残るエピソードは。

 「数多くの困難を克服し、現在の姿があるが、基幹システムの全面更新を行った2019年からコロナ禍の最中にある2020年は、最大の試練の時期。また、開業当時は店舗数の少ない首都圏、関西圏での旅行需要の獲得に苦戦していたが、2006年にいち早くウェブ販売を始めたことを契機に、新幹線利用の自社商品『ぷらっと』が急成長するという大きな節目となった」

 ――30周年でJR東海グループとの連携は。

 「JR東海の協力のもと、当社独自の商品として、ウェブ申し込みと同時に座席が確定する『新幹線ダイレクトパック』と、こだま号利用の値打ち商品『ぷらっとこだま』(ウェブ販売分)の乗車票をJR東海主要駅の指定席券売機でも受け取れるサービスを、6月30日から開始した。出発前日17時まで購入可能で、当日に乗車票を駅で受け取れる利便性は好評だ。新幹線ダイレクトパックの売り上げは、前身のツアーダイレクトと比べ、昨年、一昨年の実績を大きく上回って推移している。このほか、JR東海沿線の魅力を伝える取り寄せサイト『いいもの探訪』と連携した『いいものプレゼントキャンペーン』、JR東海の旅クラブ『50+』会員向け商品として『いいもの』の産地を訪ね、体験する商品も展開している」

 ――現在抱える課題は。

 「旅行業界を取り巻く環境が激変する中、コロナ禍となり、社内外の定量的、定性的なデータに基づき、営業、販売、商品戦略を強力に推進する体制整備が必要となった。7月1日に行った組織改正は、販売力・収益力の強化、本社部門の効率化を目的に実施。営業系各部門を統括し、営業収益、利益の最大化を図るため、『営業本部』を設置した。また、営業部マーケティング課を発展させた形で『マーケティング戦略部』を新設。ウェブ、電話販売を担う通信販売部は『Web販売センター』として営業部の組織として再編し、店頭営業、法人営業、提携販売、ウェブ・電話販売の全ての販売チャネルが、より有機的に連携して販売を強化できる体制となった」

 ――昨年4~6月には静岡DCがあったが。

 「JR東海エリアで開催され、静岡着商品の販売人員は、約1万5千人、売り上げ実績が対前年比145%と好調だった。アフターDCはコロナ禍と重なり残念だったが、今後もJR東海沿線の自治体などとの関係を深めていく。その一環として、本社マーケティング戦略部内および京都、愛知、静岡の各地区に、『地域創生担当』を設置した。これまで以上に各地域の魅力ある観光素材の発掘と発信に取り組んでいく」

 ――新しい取り組みも出てきている。

 「昨年は、スマホゲームとコラボした『IDOLⅰSH7 OFF旅』が、JATA主催『ツアーグランプリ』で国内部門最高位の観光庁長官賞を受賞した。ICTやSNSを活用した新機軸の商品造成、販売で、新たな旅行需要の創出に引き続き取り組んでいく」

 ――人材育成は。

 「中核を担ってきたJR東海からの出向社員の大量退職時代を迎え、プロパーの社員が8割超となった。常に『他社、業界、異業種の取り組みなど、世の中の出来事を全て自分ごととして捉え、自ら考え行動できるように』と話している。将来の経営の担い手として会社経営を主体的に考え判断できる人材を育てていかなければならない」

 ――今後の展望は。

 「コロナ禍でお客さまの価値観や行動原理、そして旅行の在り方までも変化している。『安心・安全』を全ての大前提とし、旅行業界のガイドラインに沿った旅行の提供に最善を尽くす。JR東海が展開する『ひさびさ旅は、新幹線!』キャンペーンとの連携商品や各種キャンペーンなどを効果的に活用しながら、販売回復に努めていく。また、『ウィズコロナ』時代の旅行のあり方として、『安心・安全』『健康第一』『癒やし』『自然』『家族・仲間』などをキーワードにした商品を充実させていく」

 ――35、40周年に向けて。

 「旅行が『夢のある』イベントであることは変わらない。旅行業の原点である『ドキドキ・ワクワク感』は一層大切にしていきたい。5、10年後の予想は難しいが、当社の強み、独自性、優位性を最大限生かしたビジネスモデルの確立、強化、具体化に取り組んでいく。その結果として35周年、40周年があるはずだ」

さとう・かずや=日本放送協会を経て、1990年に東海旅客鉄道(JR東海)入社、人事部人事課長、営業本部副本部長などを歴任。2016年6月にJTB常務取締役就任。2018年6月から現職。

【聞き手・長木利通】

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