ご存じでしょうか。洋菓子と日本茶との相性がとてもいいことを。
チョコレートやケーキなどの洋菓子に、濃い目の日本茶がよく合うと学生時代から感じていました。洋菓子のコクを引き立てつつも、お茶のうま味、苦味、渋味が甘さを落ち着かせてくれるような不思議なバランスを感じています。もっとも、「和菓子に日本茶」との組み合わせが、王道なのは言うまでもありませんが。
そもそも、洋菓子と和菓子の違いは何なのでしょうか。和菓子の材料は小豆を筆頭とする豆類や、米などの植物性の物がほとんどで、でんぷん系の甘味。洋菓子のそれは、バター、チーズなどの動物性の物が多く、油脂系の甘味。またフルーツとの取り合わせが多いのも特徴、とは大雑把過ぎる分類でしょうか。
このところ和菓子と洋菓子との境界線がはっきりしなくなってきているようにも思います。果物と餡(あん)の斬新な取り合わせで人気のいちご大福。当初はその組み合わせに驚きを感じましたが、今ではすっかり和菓子の定番となっているようです。餡を使ったパイやきな粉入りシフォンケーキなど、和洋折衷のような菓子も増えてきています。
最近では、日本の水に合うとうたったコーヒーも発売され、そのコーヒーに合う和菓子の探求も活発なようです。まんじゅうとの相性もなかなかなのだとか。また、材料にコーヒーを使った和菓子の創作を促す流れもあります。総合食品メーカーと和菓子職人の共同企画とのことですが、固定観念にとらわれない切り口に、新鮮さと意気込みを感じます。
抹茶を使った菓子類が、国の内外を問わず人気です。茶業界の働きかけというより、抹茶自体の持つ魅力が食材としても認められたということなのでしょう。日本茶の評価を高める狙いだけでなく、輸出も含む茶流通を円滑に進めるためもあるのではと推測していますが、抹茶をはじめとした茶種の定義を見直す検討が、日本茶業中央会で始まっているようです。日本茶業中央会とは、茶の関連団体を中心として組織された日本茶および茶文化の振興を目的とする公益社団法人です。
ベルギーの世界的ショコラティエが「チョコレートに最も似合う飲み物は、緑茶と水」とおっしゃったとか。チョコレートも緑茶も、それ自体の香りは特に強いものではないものの、口に入れた後の喉から鼻に抜ける香りと、口中に広がるおいしさがその醍醐味(だいごみ)なのではと感じています。
洋菓子に日本茶、お試しになってみませんか。