【日本茶インストラクターが勧める 素敵なお茶生活 27】季節感とお茶2 繁田聡子


 各店の店長が頭を悩ませるのが販売予定数。多過ぎると、次の季節にずれ込み、他店に応援を頼まざるを得なくなり、少な過ぎても弱気を販売会議で指摘されます。前年の販売数、反省などを踏まえながらなんとか予測し、適切な日程での完売を目指します。

 通年販売品である定番のお茶は 創業以来、宇治、静岡、鹿児島産の茶をブレンドして作ります。「合組」という作業です。「ごうぐみ」と読み、お茶屋の腕の見せ所でもあります。

 産地ではなく、消費地のお茶屋である弊店は、それぞれの産地、さらに各産地の中でもいろいろな地域の特長を考え、合組します。一口に静岡茶と言っても、里の茶、山の茶とその特徴は多岐にわたります。

 以前、産地偽装が問題となった時、店頭で「どこのお茶?」とよく聞かれました。「直接産地に出向いて仕入れており、宇治、静岡、鹿児島のお茶のブレンドです」と説明すると、「えっー、混ぜてるの!」「はい。よりおいしいお茶をご提供したいので混ぜてます。創業以来ずっとです」との説明を何度繰り返したことでしょう。

 テレビ番組のおかげで助かったこともあります。ウイスキーの味を極めるべく、数多くの樽(たる)から選んだウイスキーを数種類ブレンドする連続ドラマが放映された頃は、「ご覧になっていますか? ウイスキーと同じようにお茶もブレンドします」と答えるだけで納得して下さいました。マスコミの影響は、良くも悪くも、すごいものがあるようです。   

 
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