【日本政府観光局インバウンド最新リポート29】日本への注目集まる豪州 JNTOシドニー事務所 坂本卓也 次長


「食」の魅力発信で誘客拡大

 豪州は、さまざまな背景を持つ人々が生活しているマルチカルチュラルな国家である。多文化を象徴するように、シドニーやメルボルンなどの大都市には、さまざまな国の料理を楽しむことができるレストランが多く出店している。

 このような中で、訪日旅行の際に体験したいコンテンツとして、いわゆるB級グルメから高級な懐石料理まで、老若男女問わず食事を挙げる方は多い。観光庁発表の2016年訪日外国人消費動向調査によると、日本食を食べることは、豪州からの訪日旅行者の85・9%が訪日前に期待していたことに挙げており、また、97・7%が訪日時に体験したことのうち満足したこととして回答している。

 食通の豪州人にとって、日本での食事はそれ自体が旅行の醍醐味として認識されていることを踏まえ、JNTOシドニー事務所では、日本の食をテーマに訪日プロモーションを展開している。

 まず、今年度はカンタス航空と共同で、豪州で人気を誇るテレビ料理番組「MasterChef Australia」の撮影を初めて日本に招請した。当番組は一般の料理自慢が料理の腕をおよそ3カ月間にわたり競う娯楽番組で、毎年1シリーズが放送され、今年は第9シリーズが2017年5月から放送された。

 7月2日から7日にかけて全6話放送された「Japan Week」では、東京(浅草、新宿など)、静岡県富士市、千葉県館山市を舞台に、日本の新鮮な食材や和食に焦点を当て、日本の食材を使った料理対決や日本のシェフとの交流などが展開され、豪州全土で延べ約688万人に視聴された。

 また、当番組にて「Japan Week」が放送された機会をとらえ、7月12日にシドニーの日本食レストランにおいて、メディアや旅行業界関係者など約60人参加のもと、食をテーマとした日本の観光魅力の紹介を目的としたメディアイベントを開催した。

 イベントでは、ゲストスピーカーとして「MasterChef Australia」第2シリーズの優勝者で、フードパーソナリティや「日本食普及の親善大使」として活躍中のAdam LIAW(アダム・リャオ)氏を招き、日本での美食体験やお薦めの日本食などを紹介していただいた。

 また、日本全国の郷土料理などを16ページにわたって紹介する小冊子を作成し、JNTOシドニー事務所のローカルサイトに掲載するとともに、豪州国内で発行部数7万5千部を誇る料理旅行雑誌「Gourmet Traveller」にはさみ込みを行い、書店などに展開した。

 JNTOシドニー事務所のフェイスブック、インスタグラム、ユーチューブで紹介している食に関する情報は、多くの「いいね!」を獲得し、大きな反響を得ている。豪州では、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックの開催が近づくにつれ、ますます日本に対する注目が高まっており、その中で日本の食は訴求力の高いコンテンツとなっていることから、今後も食をフックにした訪日プロモーションを展開していく。

 
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