【旅館はもっと良くなるべきだ 旅館経営 タテ・ヨコ・ナナメ 125】新型コロナウイルスへの経営対応12 現状の見通しと俯瞰 リョケン代表取締役社長 佐野洋一

  • 2020年8月24日

コロナ問題をテーマとしてから、はや5カ月になる。なるべく実経営の参考になるような情報をお伝えしてきたが、ここでいったん状況を俯瞰してみたい。

(1)今後の影響見通し

 治療薬の普及や医療体制のこともあるが、観光経済にとっては、やはりワクチンの普及が大きなカギとなろう。直近の情報では、英アストラゼネカおよび米ファイザーから、それぞれ1.2億回分(1人2回として6千万人分)の供給が合意となった。このうちアストラゼネカのそれは2021年初頭から供給、うち3千万回分が同年第1四半期(1~3月)に供給される見通しだ。ワクチンが期待通りの効果(安心感)をもたらしてくれるとすれば、来年の春ごろには少し落ち着くだろうか。しかし足元で感染は依然として拡大傾向にあり、いずれにしても年内いっぱいは「Withコロナ」となろう。

(2)Go Toトラベル

 Go Toトラベルの期間は2021年1月末までということになっている。予算がなくなり次第終了という立て付けだが、今は「ブレーキをかけながらアクセルを踏む」ような状態であり、まだ予算を使い尽くすような状況にはない。場合によっては期限延長もあり得るかもしれない。

(3)宿泊事業者登録

 8月14日現在、Go Toトラベルの宿泊事業者リストには1万6千者あまりが掲載されているが、宿泊施設全体からするとまだ少ない。キャンペーン自体が「湿気た花火」のようになっているとはいえ、これによる押し上げ効果をおろそかにすべきでない。「旅行社やOTAの扱いで適用になればよい」と構えている向きもあるようだが、それでは売り上げが片っ端から手数料対象になってしまうし、直販の道はますます細くなるばかりである。

 また、利用者の立場でも考えてみよう。なにしろ大きなメリットのある制度だ。彼らもキャンペーン事務局のサイトなどからしっかり情報を調べてくる。宿泊施設として登録されていないと、たとえOTA経由の予約でも、「割引適用、大丈夫か?」との不安から敬遠されかねない。自社のホームページなどに、Go Toトラベルの登録事業者であることを、目立つ場所にしっかり表示しておこう。

(4)クーポン扱い準備

 9月1日からは旅行先での消費に使える「地域共通クーポン」も実施される。ご承知と思うが、このクーポンも登録された「取扱店舗」でのみ使える仕組みだ。旅行先の地域経済を潤すことが目的だが、売店などの館内店舗でも使えるようにしておきたい。これらは宿泊施設と同一経営のもとでも登録が可能だ。

 一方で、宿泊施設としてこのクーポンを宿泊客に受け渡す事務も9月から発生する。渡すクーポン額面や説明などに間違い、戸惑いが生ずることのないよう、これの扱い準備も今から進めておくようお薦めする。

(5)雇調金再延長見込み

 雇用調整助成金(雇調金)のコロナ特例期間は9月末までであったが、政府ではこれを12月末まで再延長する方向で調整に入っている。8月末までには方針が示される予定だ。

(6)資金繰り

 コロナ問題が表面化して、かれこれ半年。運転資金のことをもう一度考えなくてはならない時期にある。これについては次回述べたい。

(株式会社リョケン代表取締役社長)

 
 
 
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