2、観光基盤(観光インフラ)の拡充等
上記(前述)の考え方にたって、「“新”日本観光」を展開するにあたっては以下の通り、観光基盤―観光インフラの拡充強化等がその前提となる。
【交通インフラの整備】
2、3次交通(高速交通機関と観光地間、観光地相互間)の整備拡充、ネットワーク強化が必要。とくに、供給余力に比して需要の少ない整備新幹線の末端区間の活用、高速道路、とくに地方観光道路の活用促進、地方空港(チャーター便の着発)の活用促進、およびそれら高速交通機関間の有機的接続、観光客目線に立ったMaaSシステムの構築等
【宿泊インフラ整備】
ホテルから民泊に至るまでの施設整備と宿泊業の新秩序確立による円滑な受入態勢確立、とくに古い商慣習是正と経営近代化(泊食分離、ルームチャージ制への転換、大部屋の分割個室化など)
【その他】
観光地の物販業等、中小企業のウエートの高い業種にあって企業規模の見直し等による経営近代化に向けた努力が必要。なお、中小企業については、企業努力と合わせ、人材(後継者等)育成と公的支援の充実強化。
【情報システム整備】
観光情報の整備発信、集中観光情報システム整備が「“新”日本観光」の基盤となる。検索、予約、決済(発券)までの一貫した総合観光システムの整備やSNSによる情報発信の活用が期待される。
「“新”日本観光」の展開は上記の着眼点を持ち、広く観光するこころ(もてなしのこころ)をもって、官民共に幅広い国民運動(観光キャンペーンを動機とする)として展開、推進する必要がある。現下の困難を乗り越え、1日も早い日本観光の再活性化を目指して、各地の観光力を結集してあたる等の観光の基盤づくりに努めるべき時と考える。