【岐路 バスと観光 新たな関係 82】高速バスと観光 20 成定竜一

  • 2018年3月7日

 一定の区間や範囲の公共交通が乗降自由(乗り放題)となる「フリー乗車券」も、FIT対策の切り札のようにいわれることが多い。

 だが、フリー乗車券と言っても、乗降自由となる範囲によって、導入の目的や対象(ターゲット)が異なる。

 わが国では、地域内の公共交通を民間事業者(私鉄や民間バス事業者)が担うことが多い。だが、多くの国では自治体やその広域連合が公共交通を提供している。そのため、訪日外国人は、事業者をまたがるたびにあらためて運賃を支払うことに戸惑ったり、面倒に感じたりすることが多いといわれる。

 特に路線バスについては、「前乗り、乗車時払い」「後乗り、降車時払い」などの乗降方式がエリアごとに異なっており、日本人客でさえ、初めての都市でバスに乗る際には不安が大きいといわれる。

 従って、鉄道同士の相互乗り入れが多い東京や、市バスに加え複数の民間バス事業者が乗り入れる京都などの都市で観光するにあたっては、当該都市内で乗降自由となるフリー乗車券があればFITにとって便利だろう。

 コスト(運賃)そのものより、見分けのつきづらい外国の小銭でいちいち乗車券を購入するストレスが軽減される意義が大きいだろう。また、事業者単位のフリー乗車券と異なり、事業者名を気にせず利用できる点は有効だろう。

 全国のJR(主に鉄道、一部のバスなど)を乗降自由となる外国人向けのフリー乗車券「Japan Rail Pass」もFITに人気である。細長い国土の全体を観光して回ろうと思えば、新幹線に代表される鉄道は最も効率のいい交通機関だからだ。

 つまり、特定の都市内といった狭域か、逆に「全国を効率よく」といった広域では、フリー乗車券は、FITの集客に有効なのだ。

 だが、全国規模で、あるいは地方単位で高速バスが乗降自由になるフリー乗車券を企画しても有効だろうか。
 
(高速バスマーケティング研究所代表)

関連する記事

コンフィという料理がある。冷凍技術がない頃、保存食としてフランスで生まれたものだ。低温の脂で煮て、そのまま冷やし固め保存するという調理法だ。食べるときにカリッと焼く。 …

続きを読む

昨年の西日本豪雨、台風21号の記憶がまだ新しい中、今年は台風15号、19号に続き豪雨が関東以北を直撃した。19号では自宅も瞬間最大40メートルの強風で窓がきしみ、夜の9時…

続きを読む

東京モーターショーが久しぶりに来場者数100万人を突破したというニュースがあった。今回大幅に刷新された展示内容の大きなテーマの一つが「体験型コンテンツ」であった。やはり、…

続きを読む

新聞ご購読のお申込み  ベストセレクション

 メルマガ申し込み

注目のコンテンツ

第32回「にっぽんの温泉100選」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 1位草津、2位別府八湯、3位下呂

2018年度「5つ星の宿」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?

第32回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2019年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「泉質」「見所・体験の充実」「郷土の食文化」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

18年度「部門別・旅館ホテル100選」(2019年1月12日号発表)

  • 「料理」「サービス」「風呂」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

観光経済新聞の人材紹介

  • 旅館・ホテルの人材不足のお悩み無料相談はこちら
Visit Us On FacebookVisit Us On TwitterVisit Us On InstagramVisit Us On Youtube