【岐路 バスと観光 新たな関係 144】バスと観光のこれから13 高速バスマーケティング研究所代表 成定竜一

  • 2019年7月31日

 現状では、「着地型」のバスサービス、四つの類型のうち、事業として軌道に乗るとともに全国各地で展開が始まっているのは、オープントップバスや水陸両用バスを利用した商品程度だ。

 バスガイドなどの案内役が同乗するが、立ち寄り観光はほとんど行われない。比較的短時間のコースで都市や地域のアウトラインをつかんでもらうとともに、多少のエンターテインメント性を持つタイプの商品だ。

 「準・定期観光バス」という呼び方もできるだろう。立ち寄り観光がない分、桜の開花や冬場のイルミネーションなど季節に合わせてコースを組み替えやすいのも有利だ。

 一方で、それ以外の類型は、個別の成功事例はあるものの全国に展開されるところまでは至っていない。

 テーマ性が強く専門家によるガイドを伴うような「狭義の着地型ツアー」は、安定して設定し催行することが難しい。個人旅行者にとっては、毎日(少なくとも曜日限定や期間限定で定期的に)催行されなければ使い勝手が悪い。かといって、毎日、バス(乗務員を含む)や専門性を持つガイドを確保するのは負担が大きすぎる。

 「ホップオン、ホップオフバス」も、なかなか定着しない。観光地を巡るコースが設定されており、乗客は、乗り降り自由となる1日乗車券(48時間券、72時間券なども)を購入して好きな地点で観光しながら都市を周遊するものである。

 しかし、日本の都市は、世界的に見ても公共交通機関が極めて充実している。同タイプのバスを10~15分間隔などよほど高頻度で運行しない限り、充実した地下鉄や路線バス網を使って観光した方が便利だ。

 また、同タイプのバスを運行するには「停留所」を設置することが必要となるが、道路管理者や警察、周辺で路線バスを運行するバス事業者など多数の関係者の合意が必要で、現実には極めて困難だという理由もある。

(高速バスマーケティング研究所代表)

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