【岐路 バスと観光 新たな関係 121】どう解決 乗務員不足18 高速バスマーケティング研究所代表 成定竜一

  • 2019年1月7日

 もっとも、短期的成果を求める「プル施策」と異なり、民間が「プッシュ施策」に継続的に取り組むのは限界がある。求人サイトなどのサードパーティーの立場であれば、クライアントへの配慮を示す意味も込め、収益を度外視しメディア露出につながる企画を行うような努力は必要だとしても、あくまでも収益事業とのバランスが取れる範囲に限定される。

 長期的視点を求められる「プッシュ施策」は、おのずと、事業者団体や行政の力をあてにせざるを得ない。

 ところが、東京、名古屋、大阪での求人イベント「どらなびEXPO」の成功を受け、その他の地域で事業者団体や行政が同じようなイベントを実施する例がある。しかし、求人イベント(合同就職説明会)は、短期的に採用につながる確率が高い一方で、運転体験会などと比べ「絵にならない」のでメディア露出にはつながりづらい典型的な「プル施策」だ。

 確かに、事業者団体らが実施するこの種のイベントは、ブース出展料なども安く、一見すると地元のバス事業者にとって有意義に思える。しかし、限られた予算の多くは会場費や運営費に消えてしまい、広域から参加者(乗務員志望者)を集めるための広告宣伝費が不十分な場合が多い。また、そのような主催者は費用対効果が優れたウェブ上でのプロモーションを得意としない場合が多く、結果として参加者数が限られてしまう。

 民間主催であれば、各バス事業者が負担する出展費用は安くはないものの、主催者はそれらをプロモーション費用の原資とすることができ、各イベントに相応の参加者を集めることができる。成果(採用)を目的とする事業者にとってどちらが合理的かは明確であろう。

 事業者団体や行政当局にお願いしたいのは、直近の採用につながる短期的な取り組みではなく、広く社会全体に対し、バス乗務員が職業の選択肢として想起されるような認知と、特に子どもたちに「なりたい職業」の一つだと捉えてもらえるための、「プッシュ型」の情報発信である。

(高速バスマーケティング研究所代表)

 
 
 
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