【口福のおすそわけ 415】砂糖の世界 その1 竹内美樹

  • 2022年5月31日

竹内氏

 先日、いつも使っている三温糖を切らしてしまい、製菓用に買ってあったグラニュー糖で代用することに。だが、待てよ、同じ分量で良いのかな?と、ふと不安になった。料理は大抵目分量の筆者だが、生の肉や魚を軟らかくジューシーに仕上げるため、あらかじめ漬け込んでおく「ブライン液」を作るときや、たまにお菓子やパンを作るときにはきっちり量っている。

 そこで、調べてみた。日本では一般的に「砂糖」といえば上白糖を指し、海外ではグラニュー糖なのだそう。つまり、上白糖も三温糖も、日本特有の砂糖だという。知らなかった!

 …ということで、まずはこの三者を比べてみたい。

 砂糖は、製法上で二つに大きく分類される。一つは糖蜜を結晶と分離させずに作る「含蜜糖(がんみつとう)」で、黒糖などがこれに当たる。もう一つは分離させて作る「精製糖」で、前述の三者ともこちらに分類される。じゃあ、三温糖はナゼ茶色いの?

 そのカラクリはこうだ。不純物を取り除いた無色透明の糖液を煮詰めると、糖液の中に砂糖の結晶ができる。その結晶と蜜を分離させ、取り出した結晶を乾燥させ冷やすと砂糖ができる。最初に取り出されるのがグラニュー糖で、次が上白糖、続いて三温糖だ。結晶を取り出すために再加熱を繰り返すので、糖液がカラメル化して褐色になるというワケ。数回加熱することから、「三温」と名付けられたそうだ。

 三者とも同じ精製糖だが、味わいは違うとされる。最も純度が高いグラニュー糖は、甘みが上品でクセがなく、素材の味を邪魔しないという。ジャムに向いているとされるのはそういう理由だ。甘みが控えめな割に、三者の中で一番カロリーが高く、大さじ一杯で46キロカロリー。サラサラしたグラニュー糖に対し、上白糖がしっとりしているのは、結晶表面に砂糖から作った転化糖液を噴霧するから。これによってコクや風味もプラスされるという。大さじ1杯で35キロカロリーと、カロリーはやや控えめだ。三温糖は最も甘みが強く感じられるといわれ、カラメル化しているためコクが強い。大さじ1杯34キロカロリーだ。

 甘みが強いのにカロリーが低い三温糖が一番いいんじゃないか?と思うが、料理によってそうでもないらしい。上白糖や三温糖は吸湿性が高いので、しっとり仕上げたいカステラなどには向いているが、ビスケットやタルト生地などのようにサクッと仕上げたいモノには不向き。

 煮物など、コクをアップさせたい料理には、三温糖が向いている。さらにコクが出るのが黒糖だ。筆者は鶏肉や牛肉の赤ワイン煮を作るとき、コクとうま味を出すために使うので、わが家の砂糖ラインアップには欠かせない。黒糖は、サトウキビを搾り、汁をろ過して煮つめた後、冷却して固めてできる含蜜糖である。

 さて、冒頭のギモン、「三温糖を同じ量のグラニュー糖に代えても大丈夫か問題」は果たしていかに? さらに、砂糖の持つ効果について、次号をお楽しみに♪

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
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