【体験型観光が日本を変える291】標津町でのスノーシュー 藤澤安良


 ロシアのウクライナ侵攻から1年が経過した。残念ながら今なお戦闘が続いており、犠牲者も増え続けている。日本では寒波もひと休みする中、札幌では3年ぶりの雪まつりが開催され、にぎわいが戻りつつある。新型コロナウイルスの感染者も減少傾向にあるが、インフルエンザは増えている。

 そんな中、「全国旅行支援」が継続されており、羽田空港から帰って来たばかりだが、冬の閑散期でありながら旅行者はけっこう動いていると感じた。まさにコロナとの共存の道を歩んでいる。

 検討が続いていた感染症の「2類」相当から「5類」への移行が5月8日と発表された。その10日後の広島サミットを意識しての日程であろうが、マスクの着用などで大きな変化が現れることになり、感染拡大の不安は残るが、観光がさらに活発に動くだろうと期待もある。

 中国が団体旅行の解禁を発表したが日本はその対象国に含まれておらず、先になる見通しである。何しろこのウイルスの震源地の国であり、安全が見極められてからでもいいと思う。

 コロナの安全対策もさることながら、全国各地で凶悪な強盗事件が相次いでおり、その首謀者がフィリピンにいるとのニュースが連日報道されている。また昨年の都内の特殊詐欺事件の被害総額が68億円と増加している。これらとの関連性や容疑の方は捜査を待つことになる。

 さらには、怨恨(えんこん)も男女関係もあるが、無関係の人を切りつける殺人や傷害事件も後を絶たない。これらの事件の根底には、貧困であったり、仕事がなかったり、人の心がすさんでいたり、生きる環境が良くないことがうかがい知れる。

 政府からの給付金も賃上げの動きもありがたくはあるが、一過性の対処療法では根本原因が除去されず、再発や再犯につながる。社会的弱者のケアが大切であり、さらには、その弱者をつくらない社会が必要になる。異次元の少子化対策と併せて、歯車が狂いだしている人間社会の闇にも政策のスポットを当てなければならない。

 過日は北海道・南知床の標津町で激寒のスノーシュートレッキングでガイド研修を行った。氷点下10度前後の快晴微風の中、20人のメンバーで雪山を歩いた。トドマツやシラカバやミズナラの森を歩くと、空にはトビやタカが舞い、雪原にはキタキツネやウサギ、テンやモモンガの足跡、ふん、食痕、キツネが獲物を狩りした跡等が次々に見られる。

 根室海峡を望む高台からは国後島もくっきりと見える。大木に刀傷のような縦の線が走っている。寒冷地ならではの凍裂である。その地は竪穴式住居群のいくつもの遺跡の間を巡るコースでもある。

 参加者からの感想は、とても楽しかった。自然とのふれあいが心地よかった。多くの仲間と素敵な時間を共有できたのがうれしかった。哺乳類には会えなかったがそのあらゆる痕跡は生命の営みを感じ、感動した。激寒の地で先人がどう生きたのか興味深い―など、いずれの感想もうれしくなる話ばかりであった。心高まる体験交流こそ今の日本に必要である。

 
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