【体験型観光が日本を変える248】愚かなウクライナ侵攻 藤澤安良


 2月24日、ついにロシアがウクライナに侵攻した。東部国境付近からの侵攻が有力的だと思われていたが、隣国・ベラルーシからなのだろうが、北部首都キエフにミサイルが撃ち込まれたり、南部クリミアから戦車などの軍用車が侵入するなど、戦闘が激しくなり、チェルノブイリ原発も制圧され、キエフの陥落も時間の問題であろう。

 ロシアのお国事情や政治的背景は何度も専門家からテレビなどで解説を聞いているが、この侵攻はロシアの国家としての合理性はありそうもなく、もちろん大局的な正当性は見当たらない。

 ロシア正教や東スラブ民族の統一などともいわれているが、ならば、同じ民族を攻撃し殺傷する行為は虐待と同じで矛盾が生じる。どう考えても、国家や民族ではなく、誰かの面子や利権や保身やエゴではないかと思えてならない。

 また、近代戦争ならではのハイブリッド戦争ともいわれ、情報通信への侵入や遮断、あるいは、真実とフェイク情報が錯綜(さくそう)する事態で、昔風に言うとだまし討ちである。

 すでに、戦闘が始まった初日のみで女性や子どもなど民間人の犠牲者を含め双方で200人以上が死傷したとの報道もある。多くの尊い人命と引き換えにする得られるものは、あるはずもない。

 しかし、残念ながらこのような、愚かな人間による愚行は大きな痛手や多くの犠牲者が出た後にしか解決に向かわないことを歴史がこれまで証明している。今後は、NATOや西側諸国の一刻も早い動向が注目される。

 愚行といえば、日本国内でこのところ連日のように報道されているのが幼児虐待により、母親や父親あるいは義父や母親の交際相手などの逮捕者が後を絶たない。過日も生後数カ月の男児が17カ所も骨折していたとして、父親が逮捕された。ほかにも、熱湯や冷水を掛けたり、たたいたり、投げ飛ばしたり、その挙句に死亡した事例も少なくない。

 子どもを守れるのは最後は親でしかない。その親から暴力を受けるなら、これほどふびんなことはない。親の資格どころか人間の資格がない。家庭の中でも戦争が起こっているようなものである。

 犯罪に手を染めなければ生きていけないような、貧困格差社会の環境を政治の責任として改善しなければならない。また、殺人、窃盗、詐欺、放火、危険運転、暴力など、他人を不幸にしようとも、自分の利得だけ、自分の気持ちだけで、ルールもモラルも法律もないがしろにする人間の多いこと。便利で、物があふれ、社会が進歩したかのように見えてはいるが、人間は進歩していない。

 家庭、学校、社会の三つの教育がうまく機能していない。とりわけ、人としてどうあるべきかの、人間教育が極めて貧困である。最もそれを、教えられる人が果たしてどれだけいるのかも疑問であり課題である。

 これらを学ぶ機会は、パソコンでもスマートフォンでもゲームでもない。情報は知る術であるが、人は人に学び、さらに体得するには自らが体験することに他ならない。体験教育活動の意義がさらに高まる時代である。

 
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