【体験型観光が日本を変える216】ワクチン接種のシステム構築急げ 藤澤安良


 東京オリンピック開催まで約1カ月となった。英国で開催されたG7で菅義偉首相は各国首脳に対して開催に対する協力を要請し、それが了承されたとのことである。

 今まで政府やオリンピック関係団体は、説明しないし、ごまかしたり、隠したり、先送りしたり、誰が全責任を負うのか、何もかもはっきりしないし、それができない国であったが、国民に対するメッセージより先に、他国ではっきり開催に言及したことになる。それもまた、残念である。

 やると決めたのなら、観客を入れるなら、万全の対策はこうすることだと、具体的な対策を説明することである。様子ばかり見ていては、手遅れになるばかり。早期に最悪・最低を想定し、万全な準備を進めることである。

 一方、切り札というワクチン接種も、大規模接種会場の予約枠が埋まらなかったり、ノーショーがいたり、ワクチンを大量に破棄した自治体もあり、テキパキと多くの接種者をこなすところもあれば、設置した待機場所等の椅子はガラガラで、時間当たりの接種者数がかなり少ない非効率な会場もあるなど課題山積だ。それを改善すべきだと認識しないのか、したくないのか、決めたことを変えられない国でもある。

 日々刻々状況に応じて受け入れ態勢を変えていくことこそが、生身の人間の強みである。

 過日、私も65歳以上の優先枠で特段の副反応もなく1回目を終えた。2回目は6月末に予約済みである。企業単位でもワクチン接種が始まることになる。とにかく、年齢に関係なく多くの国民に拡大することを期待したい。

 ワクチン接種が進む欧米先進国や中国ではノーマスクで旅行したり、イベント会場に多くの人が集まっている映像がニュース番組で伝えられる。ハワイも米国人の観光客は戻ってきたというが、経済効果が高い日本人待ち状態である。

 航空機も日本からデイリーではないが飛んでいる。指定医療機関での検査陰性証明があれば現地での隔離が免除される。しかし、日本入国時も検査陰性でも、自主隔離や待機となっていたり、公共交通機関に乗れないなどの制限が邪魔をしている。

 検査陰性ならCOCOA登録と行動計画提出で、自主隔離や待機を免除すれば観光経済は動きだせる。その上に、ワクチン接種を渡航や旅行の条件に加えるなら、多くの接種会場での接種率も上がり、多くの接種機会が有効に機能することになる。そのシステム構築を急ぐべきである。

 Go Toトラベルは人流が活発になるとして、今一つ再開に前向きになりにくい。財源は安心安全が高まる方法に回すこととし、PCRや抗原検査での陰性とワクチン接種証明で、受け入れ条件や割引対象となったりする、安全パスポートトラベルとして動きだすべきである。

 6月20日まで再延長された緊急事態宣言地域は、解除やまん延防止等重点措置に移行されると思われる。それらの措置がどうなるのか、感染者数や医療体制の状況も気になる。一方で、待てない経済のための対策と政策が急がれるべきである。

 
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