【体験型観光が日本を変える199】一致団結して我慢、自粛を 藤澤安良


 新型コロナウイルスの感染症対策として都市部を中心に出されていた緊急事態宣言は、3月7日まで1カ月延長された。夜間の飲食店のみならず、昼間の外出も自粛するようにといわれている。

 しかし、2月7日の様子をとらえたニュース番組の映像からは、渋谷の交差点、表参道、上野のアメ横などの繁華街は人出が多い。江の島海岸でサーフィンをする人も、箱根に出かけた人も前月に比べて大幅に増えている。

 土・日曜は飲食店の時短営業の隙間である昼飲みが増えている。不要不急の外出に衣料品などの買い物は今でなくてもいいように思うが、人間は人数の多いところへ行きたがる習性がある。逆にそこに魅力があるから人が行くともいえるのだが。正月三が日を外したり、祭りの次の日の神社は空いている。

 混雑して人混みを見に行くようなものだと知ってはいても、大勢の中にいる安心感があるのであろう。自宅内で飽きたり、自粛慣れや我慢の限界などとして、若者は外出したい、人に会いたい、遊びたいなどというコメントが流れていた。この程度のことが我慢の限界ならば、先が思いやられる。

 医療従事者は闘っているし、飲食店だけではなく多くの産業で厳しい状況が続いている。その多くが我慢しているのだ。外出したり、人に会ったり、飲んだりする程度ではない。生活や命がかかっている。戦争経験者や飢餓に苦しむ途上国からはどう思われるのであろうか。

 経済発展が著しいミャンマーで、軍事クーデターが起こった。数年前にヤンゴンに行き、アウン・サン・スーチー氏の事務所を訪ねたが、若者が多く活気があり、民主化によりすごいいい国になるだろうし、観光地として大きな期待をした。その若者たちによるクーデター反対運動のデモがヤンゴンでも東京でも行われた。

 東京でのデモは日本や世界にミャンマーの窮状を知ってほしいと訴えている。国際社会の一員としての日本の役割は大きい。民主政権の復活と平穏な暮らしと同国の発展を祈念したい。

 その国際社会に波紋が広がっているのは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森会長の女性蔑視とも思える発言について、国内外から批判の声が出ている。オリンピックの精神やSDGsの目標にもあるジェンダー平等を実現しようとする重要な課題であり残念である。

 準備する選手のためにも、期待する国民のためにも観客を入れての開催に向けて、感染を押さえ込み、広くワクチン投与が行われ、日本中が歓喜の渦に巻き込まれる時を目指して、国民が一致団結して我慢や自粛をすべき時である。その先に、オリパラのみならず、「Go To」も復活し旅行に出掛けられるし、修学旅行も通常の実施ができ、体験活動もアウトドアスポーツも活発になり、人に会い、飲食をすることもかなうはずである。

 登山もマラソンも大変なのになぜするのか、労苦を乗り越えた後に感動と達成感があるからだ。今できることは乗り越えた先にある素晴らしい平常を取り戻すための行動である。

 
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