新型コロナウイルスの感染は一向に終息に向かう気配が見えない。米国の大統領選挙が間近に迫る中、現職のトランプ大統領が感染した。選挙に何らかの影響を及ぼすことになるであろう。
日本では10月から「Go Toトラベル」キャンペーンの東京追加に加えて、地域共通クーポンや「Go Toイート」も加わり、旅行や外食へのモチベーションは大いに高まり、活発に動きだすことは容易に想像できる。
一方で、スマートフォン普及率65%のわが国で、スマホでクーポンを受け取る仕組みが便利であるが、その他の手続きが容易に分かりやすくできる仕組みがなければならない。
地域共通クーポンはもらえるはずの宿泊施設に届いていなかったり、自宅に送付される予定が出発当日までに2週間あっても届いていなかったり、またもや、この程度の仕組みなのかと、半ば諦めの境地になる。
クーポンが使える店も、全国どこででも売っているものがほとんどのコンビニやドラッグストアなどチェーン店が多く、旅に出て、地域特産物が買いたいと思うのに、道の駅や直売所などが加入しておらず、「地域」の名にそぐわない。有効期限が決まっており、やむなく大手資本のどこでも購入できるものに使えば、地域に貢献しないクーポンとなる。
せっかくの国費が投入され、需要喚起が促されようと、手続きや処理対応がしっかりしていないのは極めて残念である。
このような仕事になってしまうのは、ネットと紙だけで仕事をしている証拠である。加入してほしい施設に対して、趣旨や効果を分かりやすく丁寧に説明し、加入を勧めた人物はいなかったのであろう。体裁だけを整え、機会平等をアリバイ的に作り、何においても責任逃れの魂のない仕事は、それにつけ込む目ざとい人のためにはなるし、悪い人の詐欺の材料にもなりかねない。
リモートやテレワークで全てを済まそうとすると、人の存在も人間力も希薄になる。全国民が引きこもりになってもいけない。旅館・ホテル対象のGo Toトラベルが2カ月半経過したが、課題も明らかになっている。
定額でなく割引率であることから、より高額な補助を受けた方が得になるとの思いから、高級・高額に向かうことは当然の心理である。しかし、顧客満足度やコストパフォーマンスを上げなければ、キャンペーン終了と同時にその集客力は一過性に終わる。
普段は利用しない客層が上のランクを利用することにより、その価値を理解したなら、顧客拡大につながることになる。逆も真なり。キャンペーン終了後は廉価な商品に向かうことにもなる。今まで通りでは、持続も勝ち残れもしない。
一方で、リモートやテレワークが定着すると、都市から田舎への動きが大きくなるはずである。田園や山岳風景、豊かな自然、田舎料理、トレッキングやウオーキング、アウトドアスポーツなど、郷愁と癒やしと心を取り戻せる環境が再確認されることになる。ウィズコロナやアフターコロナに向けた新たなる価値創造が求められている。