【令和時代における交通インフラの人材採用6】バス運転手採用手法の変遷 女性バス運転手協会代表理事 中嶋美恵


 日本のバス運転手は全国的、慢性的に不足しています。前回、その要因に「高齢化」と「性別の偏り」があることをお伝えしました。言い換えると、若者の採用や女性の活用が進んでいないということです。

 ではどうして、バス事業者は若者や女性を採用してこなかったのか? これには明確な理由はないといえます。これまでの慣習だから、なんとなく違和感があるから、特別な配慮が必要そうで面倒な感じがするから…でしょうか。あるいは、以前は人気職種だったため、そこまで採用に困らなかったから、かもしれません。いずれにせよ、10年、20年先を見据えた人員計画を立てていた事業者は極少数であったと言わざるを得ません。

 求人の方法も時代と共に変化しています。かつてバス運転手の求人はハローワーク、自社ホームページ、バスや電車の車内吊りポスターが有効でした。しかし時間の経過と共にこれらだけでは採用がままならなくなり、各社は有料媒体を利用するようになりました。新聞(一般紙、スポーツ新聞)の求人広告欄、新聞の折り込みチラシ、フリーペーパー、地域のコミュニティ誌など紙媒体が主流になりました。

 しかし、しばらくすると、応募者の減少、内定辞退、入社しても定着しないなどの課題に採用が追い付かなくなり、次に登場したのが求人サイトです。いわゆる総合求人サイトに求人広告を掲載するようになりました。

 ところが、全国のたくさんの業種職種の中に数少ないバス運転手求人が紛れてしまい、なかなか応募がなかったり、応募があっても他の職種と迷っていたりするので辞退も多く、応募↓受験↓内定↓入社↓定着とスムーズに進まず苦戦を強いられます。2014年7月、そこに登場したのがバス運転手専門の求人サイト「バスドライバーnavi(どらなび)」でした。

(リッツMC代表取締役社長兼女性バス運転手協会代表理事)

 
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