【令和時代における交通インフラの人材採用47】女性バス運転手協会2 女性バス運転手協会代表理事 中嶋美恵


 5回にわたり、バス業界における女性バス運転手の現状と今後、バス事業者が取り組むべき具体的事項を書かせていただきました。私が代表を務める一般社団法人女性バス運転手協会には、女性運転手の採用と定着について、特に積極的な全国のバス事業者にご加盟いただく「法人会員」という制度があります。入会金や年会費は無料。公益社団法人日本バス協会の会員であるバス事業者の皆さまであれば審査なく加盟いただけます。女性を採用したい定着させたいと考えている事業者は多く、日ごとに法人会員数は増加しています。

 では、女性運転手を増やすことによる事業者のメリットは何なのか、下記のようなことが考えられます。まず「採用フィールドの拡大」です。人口の半分は女性ですから、門戸が広がれば間違いなく応募者は増えます。現在のバス業界で最大の課題であるバス運転手の確保も容易になることは言うまでもありません。

 次に「乗客からのリクエストや依頼先のオーダーに応えることが可能」です。地域のコミュニティバスの乗客や病院や介護施設の利用者からは「運転やアナウンスが優しい」という理由で女性運転手が人気です。よって、バスを依頼する自治体や医療・教育業界などから運行するバス事業者へ運転手を女性にできないかというリクエストが多いのです。

 次に「女性がイキイキと働く職場の提供」です。これまで男性社会で飛び込みにくいイメージのバス業界でしたが、バス運転手をやりたい!と考えている女性も数多くいらっしゃいます。その方々に新たな職場を提案できます。同時に、「社内の雰囲気が和らぐ」ようにもなります。男性だけの職場と女性もいる職場ではその雰囲気はかなり変わります。人材の定着を目指す上で職場の雰囲気はかなり重要です。女性がいることが良い雰囲気を醸し出す一翼を担うことは間違いありません。そして「女性活躍を推進する政府の方針に沿う」ことにもなります。それぞれのメリットは相乗効果をもたらすはずですので、これら以外の波及効果も期待できるかもしれません。

 電車の車掌のように「最近、女性のバス運転手さん増えたね!」と言われるようになる未来を女性バス運転手協会は目指しています。そのためにはバス事業者の皆さまに積極的に女性を採用していただくことが不可欠です。これからも地道に尽力していきます。

 (リッツMC代表取締役社長兼女性バス運転手協会代表理事)

 
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