【交通トレンド分析34】東海道・山陽新幹線、外国人もネット購入可能に 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 2020年、訪日外国人4千万人を目指しており、すでに年間3千万人を超える外国人が日本を訪れているが、外国人から課題として挙げられているのが新幹線チケットのネット予約だ。これを解消すべく、東海道・山陽新幹線では、日本での新幹線利用者が多いアメリカやオーストラリアなど八つの国や地域においては、英語版のスマートフォンアプリを活用し、JR東海のインターネット予約サービス「スマートEX」で新幹線のチケットを予約することがすでにできるようになっているが、今回、20年3月予定でホームページ上から英語版サイトにアクセスし、スマートフォンアプリ同様に新幹線の予約がスタートすることになった。ホームページ上で予約可能となることで、特定の地域だけでなく、全世界の人が英語での予約になるが、東海道・山陽新幹線のチケットが買えることになる。

 スマートEXとは、年会費無料で日常使っているクレジットカード番号を登録するだけで東海道・山陽新幹線がネット予約できるサービスで、日本国内においても利用者は増加傾向にある。SuicaやPASMOなどの交通系ICカードを持っていればチケットレス乗車が可能となるが、外国人の場合は基本的に新幹線停車駅などの受け取り専用機や指定席券売機等でクレジットカードを挿入することで切符を受け取った後、乗車することになるだろう。

 今回の新サービス導入により、外国人観光客も駅に行かずにインターネット上で新幹線のチケットを買えるようになる。東京を訪れた後、京都や大阪などを訪れる外国人観光客も多く、特に京都を目指して新幹線を利用するケースが多い。また、広島などへ向かう際にもネット予約が可能となる。さらに日本が世界に誇れる新幹線に乗ってみたいという目的で乗車する人も含め、新幹線を積極的に利用したいと思っている外国人には朗報だろう。

 ただ課題もある。新幹線の指定席特急券は乗車日1カ月前の午前10時からの発売となっている。そのため、予定が早く決まっていても早い段階で乗車する新幹線が確定できない状況が続いている。少なくとも2カ月前から予約できるようになれば、外国人も日本国内での予定を組みやすくなるだろう。システムの問題など乗り越えなければいけない課題も多いが、近い将来に乗り越えていかなければならないと思う。ネット予約ではJR各社の中でも利便性が高いJR東海であるが、将来的には英語だけでなく、中国語や韓国語などの多言語でのネット予約も含めて取り組んでいただきたい。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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