【交通トレンド分析272】東海道・山陽新幹線「SWork」、繁忙期や週末は外の車両よりも静かで快適 鳥海高太朗


 年末年始の繁忙期が終わったところであるが、私自身も年末年始期間中に数回、東海道新幹線を利用したが、その際に感じたことを書いてみたいと思う。

 年末年始を含めた冬休み、ゴールデンウイーク、夏休み、そして週末など、家族連れも含めた旅行者が多く新幹線を利用している中、普通車指定席の7号車にある「S Work車両」は他の車両に比べて移動中も静かであることが多いと感じたのだ。

 S Work車両は、ノートパソコンやタブレットなどのモバイル端末などを気兼ねなく使用して仕事を進めたいお客さま向けの車両で、他の車両と大きく異なるのは携帯電話の通話やオンラインミーティングも、他のお客さまへ配慮することで自分の席でもそのまま通話や会議が可能なシートになっている。

 ただし、仕事をする人の環境を維持する観点からお客さま同士の歓談や座席の回転を控えるように告知されている。

 ちなみにS Work車両の追加料金は不要で、通常の指定席料金で利用可能となっている(3席を2名で使えるS WorkPシートは追加料金が必要)。

 そういった背景もあり、平日は出張者を中心に新幹線車内でパソコン作業をしたり、オンライン会議をするなど出張者を中心にリピーターの利用が多く、私もその1人である。

 だが、土日祝に利用すると他の指定席車両に比べると残席が多いことが多く、私の肌感覚ではあるが車内は静かであり、他の車両に比べて騒がしいと感じることが明らかに少ない。S Work車両は、仕事をしない場合でも利用可能であるが、まだまだS Work車両自体の知名度が旅行者を中心に低く、取りやすいのだ。

 他の車両が満席でも、S Work車両で予約が取れることも私の経験でも何度かあった。東海道・山陽新幹線は繁忙期も含めて、年間を通して16両編成の7号車は「S Work車両」になっているのに対し、東北・北海道新幹線、上越新幹線、北陸新幹線などJR東日本の新幹線でも、新幹線オフィス車両「TRAIN DESK」が設定されており、平日は出張者などを中心に利用が多いが、サービス内容は近いが、土日および最繁忙期は適用除外になっており、通常車両になってしまっている。

 S Work車両のサービスが開始された当初はJR東海・西日本の「スマートEX」もしくは「エクスプレス予約」のみからしか予約できなかったが、今は駅の指定席券売機やみどりの窓口でもS Work車両の指定が可能となっている。1人で旅をする人や複数でも車内で会話をしないのであれば、週末の利用時に活用するのもありだろう。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)


(観光経済新聞2025年1月27日号連載コラム)

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒