【交通トレンド分析192】エスコン、試合前後の快速は大混雑 鳥海高太朗


 今年3月に北海道日本ハムファイターズの新しい本拠地である「エスコンフィールド北海道」がオープンした。開幕戦から約1カ月半が経過し、当初は最寄り駅であるJR「北広島駅」でシャトルバスに乗車できないという問題が出ていたが、私がゴールデンウイーク期間中の最後の2日間(5月6日、7日)に観戦した際には、かなり改善されていた。しかしながら、鉄道で行く場合においては混雑という問題を避けることは難しい状況となっている。

 特にそれを感じたのが7日(日)に札幌駅から北広島駅へ向かう場合であった。札幌駅と新千歳空港を結ぶ「快速エアポート」は、新札幌、北広島、恵庭、千歳、南千歳に停車して終点の新千歳空港となる。エスコンフィールド北海道の最寄りの北広島駅までは札幌駅からは約16~18分、新千歳空港からは約20~21分の乗車時間となる。2020年春のダイヤ改正によって「快速エアポート」はそれ以前の1時間4本(15分間隔)から1時間5本(12分間隔)に増え、それ以外にも札幌からの移動であれば各駅停車も利用できる。本数はそれなりにあるが、インバウンドも含めて札幌―新千歳空港の「快速エアポート」も混んでいることが多いなかで、エスコンフィールド北海道での試合があると、さらに乗客が増えることで当然混み合うことになる。約16~18分の乗車時間ではあるが、着席できないことが多く、私が乗車した際も満員でかなり混み合っていた。さらに北広島駅のエスカレーターは1人ずつの狭いものであり、長い行列になっており、スタジアムの最寄り駅としては物足りないというか、厳しいだろう。

 将来的にエスコンフィールドがあるFヴィレッジ近くに新駅の構想もあるが、まだ構想が固まっておらず新駅開業まで時間を要することになることを考えても、北広島駅の整備は必要だろう。そして、空港へ向かう利用者と同じ列車で向かうことになることから、現在は試合終了後(ナイター時)のみ北広島から札幌方面の臨時列車を運転しているが、試合開始前の札幌駅発北広島駅行きの臨時快速も出すべきであり、空港利用者と分散した形で乗車できるようにすべきだろう。

 電車混雑があるから新しいスタジアムでの観戦を敬遠してしまう人も今後出ることが考えられる。ある程度の混雑は仕方ないが、通勤ラッシュ並みにはならないような工夫は必要だ。

 ちなみに新千歳空港との往復は時間が合えば1日6往復出ているバスに乗ると乗り換え不要でダイレクトに行くことが可能だ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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