【交通トレンド分析136】交通系ICでエキナカで楽しむ機会が増 鳥海高太朗


 SuicaやPASMOなどの交通系ICカードは、電車の利用だけでなく、コンビニエンスストアや自動販売機、レストラン、エキナカでの買い物などさまざまな場所で利用できるが、あまり知られていないのがJR東日本エリアでは入場券としての利用が可能となっている。

 以前は、入場券を駅の券売機で購入する必要があったが、2021年3月13日以降は交通系ICカードをタッチするだけで利用できる「タッチでエキナカ」のサービスが開始され、従来の送迎目的やお気に入りの車両を見に行く目的だけでなく、近年充実の一途をたどるエキナカ施設での買い物時などにも気軽に利用できるようになった。

 主なルールとしては、紙の入場券同様に入場してから2時間以内の利用となるほか、交通系ICカードで利用する際には新幹線改札口の利用はできず、新幹線ホームへ入る場合には従来通りに自動券売機などで紙の入場券を購入する必要がある。現在の入場券の価格は首都圏の電車特定区間では140円、それ以外の駅では150円。

 私も数回であるがタッチでの入場券を利用したことがあるが、その目的はエキナカ施設での買い物や食事である。

 主に東京駅で利用しているが、近年、特に東京駅ではエキナカ施設が充実しており、デパ地下に近いラインアップでいろいろな弁当を買いたいときなどに重宝しているが、それ以上に私が最近注目しているのはエキナカの「グランスタ東京」の飲食店だ。

 私が入場券で入ってまでも訪れるのが千葉県松戸市にあるつけ麺で有名な「中華蕎麦(そば)とみ田」直営店の「ラーメン雷東京本丸」ではニンニクと野菜がたっぷりのラーメンを食することができるほか、近大マグロが食べられる店、お寿司(すし)、肉、そば、洋食、アジア料理、ビアガーデンなど豊富なラインアップになっている。もちろん東京駅で乗降する際に立ち寄るのがベストであるが、地下鉄利用や電車に乗る機会でない時などに入場券で入ることになる。欲をいえば、一定金額を利用した場合にはデパートの駐車場のように入場券が無料になるなどの取り組みがあってもいいだろう(キャンペーンで過去に実施した例はあるが)。

 東京駅だけでなく、品川駅や大宮駅などでも魅力的なエキナカが多い。また、個人的には新大阪駅のJR西日本(在来線)のエキナカも大阪グルメや駅弁の種類が豊富で好きな場所であるが、鉄道を利用しなくてもエキナカを利用する人は今後さらに増えそうで交通系ICカード利用の入場券利用者は増えそうだ。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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