【交通トレンド分析131】空港でのPCR検査無料の場合も 鳥海高太朗


 オミクロン株の感染拡大で新型コロナウイルスの第6波に突入し、連日多くの都道府県で過去最多の新規感染者数を記録している。東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の1都3県などで1月21日から「まん延防止等重点措置」が適用されたが、私自身も地方への取材や講演会などは、延期もしくはオンライン対応に変更され、自宅で過ごす時間が増えている。

 感染者数が年末ごろから急増したことで、「まん延防止等重点措置」が先行して発出された沖縄県、広島県、山口県について、1月末の期限から3週間程度延長されることが明らかになった。その期間は2月20日までとなる。上記の状況を考えると最低でも2月中は現在の状況が続くことが考えられる。3月下旬の春休みシーズンに旅行へ出掛けられるのかどうかという状況だろう。

 報道にもあるが、オミクロン株の重症化するリスクは低いが、病床使用率が増加していることは明らかで、テレワークができないエッセンシャルワーカーにおいては感染だけでなく、濃厚接触者でも仕事にも影響が出てしまうことになる。上記の理由から日常生活への影響を考えると、1月の3連休以降、旅行や出張のキャンセルが相次いでいるのは仕方ない。2020年4、5月の最初の緊急事態宣言時に比べると、羽田空港や東京駅などに人は見られるが、国内線、新幹線ともに明らかに利用者は減少しており、国内線でも30人以下しか乗客がいないで出発する便が多く発生している。国内線で見ると、ANAでは、12月は2020年度の事業計画比(運航予定便)の9割以上の便が運航。1月25日時点でANAでは、2月の運航便を81%に引き下げた。JALでも同様に減便が予定されている。

 私も仕事の関係でPCR検査もしくは抗原検査を定期的に受けており、羽田空港内にある木下グループ新型コロナ検査センターで検査することが多い。1月25日現在で東京都民(無条件)および羽田、成田、中部、伊丹、関西、福岡の6空港から沖縄県内へ向かう(もしくは沖縄県内の空港から6空港へ向かう場合も含む)利用者に対して無料でPCR検査もしくは抗原検査を受けられる。直近(当日や翌日)などは、予約枠がいっぱいになっていることも多いので、飛行機の利用前などに検査を受けておきたいと考えている人は、予約ができる5日前の段階で予約しておくと確実に予約できる。

 コロナと経済の両立が叫ばれるが、国内線や新幹線の利用は落ち着くまでは厳しい状況が続くことになりそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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