【マンスリーリポート 観光の現場 39】安全、安心の修学旅行へ

  • 2020年7月1日

コロナ禍は修学旅行を取り巻く環境も一変させた(写真と本文は関係ありません)

ガイドラインなど取り組み進む

 新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言が5月25日に全国的に解除されたのに続き、県をまたぐ移動の自粛も6月19日に解除された。休校となっていた学校が6月からほぼ全国で再開され、延期となっている修学旅行の実施が今後期待される。実施の大前提である「安全、安心」を確保するための取り組みが観光業界で進んでいる。

 文部科学省は、5月21日に出した「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における教育活動の実施等に関するQ&A」で、修学旅行の実施ついての考えを提示。「当面の措置として修学旅行を取り止める場合においても、その教育的意義や児童生徒の心情等にも配慮いただき、中止ではなく延期扱いとすることを検討いただくなどの配慮をお願いしたい」と修学旅行をなくさないよう求めた。

 延期となった修学旅行がいつ本格的に再開されるのか。全国修学旅行研究協会の岩瀨正司理事長は、「まだ収束の方向が見えないこともあり、各都道府県によって対応が異なる。感染症が広まっている東京などはすごく慎重だが、全然発生していない地域では8月下旬から再開するところもあるだろう」と読む。

 東京都教育委員会は5月28日、都立学校などに「新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドライン」を出し、「12月までに実施予定の宿泊を伴う行事は、延期または中止する」とした。中止となる可能性もあるわけだ。都内の市町村立小中学校でもこれに同調する傾向がある。

 岩瀨理事長は「修学旅行を知らない子どもたち」が誕生してしまう危惧さえあると警鐘を鳴らす。「修学旅行は日本の優れた文化だ。明治の半ばから始まって130年以上の歴史がある。日本人の誰もが経験する。その灯を消さないでほしい」として、同協会のホームぺージでも訴えている。

 旅行業界は国内修学旅行の再開に向けて動き出した。日本旅行業協会(JATA)は、新型コロナウイルス感染症の感染防止を極力図り、充実した修学旅行を実現するため、「旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き」を3日に作成。主な感染経路である飛沫感染と接触感染のそれぞれのリスクに応じた対策を示した。具体的な感染防止対策として、「団体行動中は、可能な限り人と人との距離を取り、場合によりお互いの会話を控える」「消毒設備の設置・整備等を事前に各所に依頼し、手洗いや消毒の頻度を定期的、計画的に増やす」「食事、入浴、就寝の時間以外は、マスクの着用を励行する」などを挙げた。

 宿泊施設利用上の対策としては、従業員に対する定期的な検温など健康管理の徹底や勤務中のマスク着用、手洗いや咳エチケットの励行などを求めた。食事は可能な限りバイキングや複数での鍋料理などを避け、1人ずつのセットメニューでの提供を基本とした。

 日本修学旅行協会の竹内秀一理事長は、「学校外の活動では先生たちの人数が少ないし、手が回らない部分がある。旅行会社が受け入れ地や交通機関などとうまく連携を取りながら感染を防ぐことが大事」と強調。また、「バスや新幹線、飛行機は密閉ではなく、しっかりと換気をすれば数分で空気を入れ換えることができる。そういった情報を学校に知らせ、学校が保護者に説明ができるようにするのが旅行会社の役割だ」と話す。

 政府が1兆3500億円を投じて8月から開始する国内旅行需要喚起事業「Go To Travelキャンペーン」では教育旅行も給付の対象となる見込みだ。これが修学旅行再開の後押しの一つとなってくれることも期待したい。

 新型コロナウイルス感染症が収束し、安全安心な修学旅行がこれからも実施されることを願う。

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