【テツ旅、バス旅 21】小型時刻表の終焉 鎌倉 淳

  • 2021年8月12日

 鉄道旅行のお供といえば時刻表。なかでも、新書サイズの小型時刻表は、持ち運びしやすく、筆者も旅行中に愛用してきました。難点は掲載駅が多少割愛されていることですが、そのぶん要点をつかみやすく、列車時刻をざっと調べるのに便利です。

 その小型時刻表が姿を消します。交通新聞社は「小型全国時刻表」を8月号をもって休刊すると発表しました。かつてはJTBも「携帯時刻表」という同サイズの時刻表を刊行していましたが、2011年に休刊しています。「小型全国時刻表」の休刊により、月刊の新書サイズの全国時刻表は終焉(しゅうえん)を迎えます。

 休刊の理由は「諸般の事情」ですが、推測するのは容易です。いまや列車の時刻はネットで調べるのが当たり前となり、小型時刻表はスマートフォンの乗換案内にとってかわられたのでしょう。実際、列車内で小型時刻表を使っている旅行者を、ほとんど見かけなくなっています。

 交通新聞社は紙の時刻表と同等の内容をタブレットやスマホで見られる「デジタル JR時刻表」を販売しています。紙の小型時刻表の販売を終了しても、スマホで見られる時刻表の販売を継続しているわけで、その点では、紙から電子への移行が完了した、ともいえます。「諸般の事情」には、そうした意味も込められているのでしょう。

 本家本元ともいえる大判時刻表は健在で、交通新聞社が「JR時刻表」を、JTBが「JTB時刻表」を、それぞれ毎月刊行しています。全盛期に比べると部数は激減したようですが、発売日にはいまも書店で平積みになっています。

 大判時刻表には、各路線全体のダイヤが一目で分かる一覧性があります。ページをめくれば複数路線を見比べながら調べることも容易です。鉄道旅行の計画を立てるときに、大判時刻表は手放せません。

 要は、情報量を絞った小型時刻表は役割を終えたものの、全駅全列車掲載の大判時刻表には別の役割がある、ということです。

 ただ、そうした役割を求める利用者も、今後は減っていきそう。となると、大判時刻表も、いずれ月刊を維持できなくなり、季刊化される可能性があります。

 鉄道旅行者としても、大判時刻表を持ち運びするのは、やっぱり大変です。大判時刻表の購読者には、デジタル時刻表も無料で閲覧できる特典などがあると、毎月購入しようという動機になるのですが。

(旅行総合研究所タビリス代表)

 
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