私事ではございますが、日本からハワイに移住し30年近くの月日が過ぎました。今では、世界から年間900万人以上の観光客が訪れるハワイ州が私の第二の故郷となりました。私はハワイで教育事業の会社経営を通し、日本の学生たちの人材育成をサポートしています。毎年、日本の小学生から大学生までの多くの学生たちを幅広くハワイで受け入れています。米国の学校やハワイ大学等、そして日本の教育機関等と連携し、「グローバル人材育成教育プログラム」を軸に古今奮闘を重ねる日々です。
ハワイには日系人文化や真珠湾など歴史を知ることのできる戦争遺跡やハワイ古来のポリネシア文化などを学ぶことのできる施設などが数多く存在します。異文化や歴史、そして自然科学などアクティブラーニングを通し、学習できる、世界的にもまれな学びの宝庫です。
日本の学生を受け入れ始め25年が経過しましたが、学生の気質も能力も大きく変わりました。25年前の学生にとって外国のハワイは遠く珍しい存在であり、英語力は低いながらも学びへの意識が高い者が多かったと記憶しています。今では、バーチャル知識があり、英語を話す者も多い一方で、自ら考え行動できる学生が少なくなった気がします。また、残念なことに歴史や異文化など自分に関係のない物事に興味を示さない者や依存体質の若者も増えたと感じています。
これからの世代がグローバル社会で生きるには、グローバルシチズンへの意識を開花させることが必要です。刻々と変化する世界情勢の中で、異文化を学び理解しながらもおのおののアイデンティティーを持ち、生きていく意識が求められます。国際社会においては、自分自身について語り、異文化の多様性を理解し、受容できる人材づくりが必要です。
これからも学びの宝庫であるハワイから社会基盤を作り、支えていく日本の学生たちを応援し、日本の若者がグローバル市民として国際社会で大きく活躍する時代につなげていきたいと思います。
(NPO・シニアマイスターネットワーク会員 米国ハワイ・リボンプロダクションズ代表、宮原まゆみ)