【シニアマイスター経営の知恵 161】センチメンタルジャーニー エバーグリーン・ホテルズ日本地区代表 諸岡 潔

  • 2022年10月9日

 ある日、九州で急きょ休みが取れたので、ふと思い立って旅に出た。目的地は大分の別府。大好きな温泉と、地元の酒場を巡ることができればと心躍る。

 福岡都市高速から九州自動車道を経由し、大分自動車道へと入り、別府方面へと車を走らせた。天気もよく、ドライブ日和である。

 走り慣れた道だが、そんな車窓からの景色も自然豊かで、気分を盛り上げてくれる。特に気に入っている車窓がある。玖珠インターを過ぎた辺りから森林が草原に変わり、湯布院パーキングエリアの手前から緩い下り坂が始まったのち、すり鉢状の長い直線が続くのであるが、その辺りから視界が一気に上下左右と開け、左手に鶴見岳、由布岳と続き、カルデラ地形と草原が広がる壮大な景観が望めるのである。

 がしかし、その時はいつもと景色が違った。いや、違うどころの話ではない。いつも遠見では、緑の山肌に草原が広がっている場所に、いつの間にか、黒いモザイクのような人工物が、緑を侵食するように広大に備わっていたのである。それは、草原と森林の多くの部分に派手に横たわっていた。

 最近、いろいろと聞くようになった。森林がなくなった分、大雨によるがけ崩れや水害を引き起こすようだ。

 さらには、太陽光パネルは、有害物質である鉛・カドミウム・セレンなどを含んでいるので、適正に処理がなされなければ、新たな環境破壊の主因にもなり得る。

 そもそも、森林を切り開き壊してしまい、それで作った電気も果たしてエコでありSDGsなのだろうか。当時の政治的意思決定や、国連の背景や施策が、それこそ根本的に正しいのか甚だ疑問である。

 おまけに当時作った仕組みに粗が出て、いろいろ足りない部分を血税が担っている。そのお金は、巡り巡って途中どこに消えるのであろう。不思議だ。

 往路後半は、深い憤りを抑えつつ気分はどん底であったが、別府の温泉と酒場の実力に癒やされ、明くる日、復路につく。

 しかし、別府インターに入り福岡方面に向かうとすぐ右手に、深緑の丘の上にたたずむラグジュアリーカテゴリーのホテルが凛(りん)と、しかし、ひっそりと自然の中に溶け込んで建っていた。

 今後の旅行業界の復活のために、さらには、往路後半の多大なダメージをもっと癒やしてもらうためにも、私も進んで清水の舞台から飛び降りたほうがよかったかもしれない。

 (エバーグリーン・ホテルズ日本地区代表 一般社団法人日本宿泊マネジメント技能協会会員 諸岡潔)

 
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