【オマツリジャパンの毎週祭日 6】裸とロウソクと寺と私 奇祭ハンター・マック


ロウソクを担いだ半裸の男たちが御堂に突入

越後浦佐毘沙門堂の
大ロウソク祭り
(新潟県南魚沼市)

 今回取り上げるのは、毎年3月に行われる浦佐毘沙門堂(新潟県南魚沼市)の「裸押合大祭(はだかおしあいたいさい)」。いわゆる裸祭りで、日本三大奇祭とも言われる。
 
 この祭は、毘沙門天をいち早く拝みたい人々が集まり、押し合い始めたのがそもそもの由来だとか。現在でもその精神は受け継がれ、半裸の男たちが高い所に祭ってある毘沙門天を誰よりも早く、近くで参拝しようと押し合う。また、警備のための100本近くのロウソクが1本、30~50キロと大きく、迫力がある。そのため、「大ロウソク祭り」という別名がついたようだ。
 
 会場となる浦佐毘沙門堂・普光寺へは浦佐駅から徒歩5分。奇祭としては行きやすい部類だ。本番は夜だが、余裕を持って昼に毘沙門堂を訪れた。すると、普光寺のお堂の上から福餅をまく行事が行われていた。福餅を手に入れると1年間の「除災招福」がつくとあってか、結構、争奪戦が激しかった。
 
 日が暮れてくると、いよいよ本番。祭に参加する男たちが大ロウソクを抱え、寺へと向かう。多くの観客に見守られながら、まずは寺の敷地内の池で水行を行う。いかにも寒そうだ。
 
 水行の次はいよいよ押し合い。ロウソクを担いだ半裸の男たちが御堂の中へと突入。御堂の中では、舞台上の数人の男たちが餅をまいていた。「巻くぞ、巻くぞー」の呼び掛けに、「巻けよ、巻けよー」で答える男たち。熱く激しい押し合いが続き、堂内はすさまじい熱気に包まれていった。最後は「サンヨー、サンヨー」と声を上げながら、皆で輪になってぐるぐる回って終了となった。
 
 ちなみに、さらしや足袋などの服装を自分で用意して青年団の指示に従えば、部外者の飛び入り参加もOKである(ただし、男性に限る)。また、今年までは日付固定で開催されていたが、来年からは毎年3月第1土曜日に開催されることとなった。土曜日の開催となれば、遠方からも足を運びやすい。興味のある方は参加してみてはいかがだろう。
(奇祭ハンター・マック)
 
 ※オマツリジャパンのライターが全国の魅力的な祭りを紹介します。

【オマツリジャパン】
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