【オピニオン】教育旅行に社会とつながるSDGsプログラム 藤澤安良


 夏休みのほとんどの期間、首都圏や関西圏など都市部の多くには、新型コロナウイルス感染防止対策としての緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発せられました。夏休みならではの野外活動、スポーツ、旅行や帰省など多くの活動が自粛の対象となりました。

 そんな中で開催された東京オリンピックでは、せっかくの自国開催でありながらほぼ無観客となり、会場での生の観戦がかなわずテレビ観戦とはなりましたが、史上最高のメダル獲得数となるなど、日本人選手の目を見張る活躍は多くの国民に感動を与えてくれました。

 一方、新型コロナ対策では全国各地でワクチン接種が進んでいますが、収束まではまだ遠い道のりになりそうです。東京の感染者は8月5日には5千人を超えました。オリンピックで来日した外国人は数万人で、その中で期間中の累計感染者は151人であり、ワクチン接種と検査での陰性が条件であったことからか、予想より少なく感じました。修学旅行を含め、あらゆる人と関わる活動には、ワクチンと検査陰性が条件となり、互いが安心できる構図が求められることになります。

 今回のオリンピック開催に当たり、ジェンダーや人権の問題、期間中13万個に上る弁当廃棄など食品ロスの問題も起こりました。また、世界中で山火事が起こり、豪雨災害が後を絶ちません。地球温暖化が原因だとする説に異論は少なく、C02削減は急務であります。それらSDGsに絡むいくつもの問題が露呈しました。

 中学生が社会人となる2030年にはどのような世界にすればいいのか、学校の教室のみならず、社会の現場で学ぶ機会が求められています。今後は、コロナで失った人との交流が極めて重要な教育の要素となることは間違いありません。教育民泊とSDGsに取り組む地域への期待が高まっています。

 今後は、遠くへ行きたいとする観光的な旅行から、何を考え、どこで、何をして、誰に学ぶのかなどの「主体的・対話的で深い学び」の実践による内容と教育効果が問われることになります。SDGsの区切りとされた2030年まで残された時間は少ない。

 2022年以降の修学旅行を含めたあらゆる教育の機会には、多様な要望に応えられ、SDGsを体験教育プログラムとして進行をするファシリテーターなどの地域人材の養成もしながら、受け入れ態勢整備をしている地域をお選びいただきたいと思います。

 全国ほんもの体験ネットワーク会長/全国教育民泊協会会長/株式会社体験教育企画代表取締役    藤澤安良

 
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