例年、この時期にゴールデンウイーク(GW)の需要と全国の動きをお伝えしているが、昨年に引き続き非常に難しい予測となっており、あくまで現時点での予測であることを強調しておきたい。振り返ると、昨年は緊急事態宣言の真っただ中となり、かつてないGWとなったことは記憶に新しい。そして、一昨年は10連休となり史上空前の集客と売り上げとなった年でもあった。従って、いったんゼロベースで考え直して、施策を実施することをお勧めする。
まず需要という観点であるが、5月1~3日の需要が突出している状況である。とりわけ2日の需要が非常に高い状況となっている。続いて、5月4日や4月29、30日にも動きが出ている。これらを総合してみると、今年は4月30日を有休などの使用で休みを取り、4月29日から5月5日までをGWと捉えて行動するパターンであることが見えてくる。そのパターンに即した商品設計、価格設計が望ましい。5月5~8日も動きがない訳ではないが、前半に比べると圧倒的に弱いため、いったん集客優先が無難かと思われる。
次に注意すべきは、新型コロナの動向やGo Toキャンペーンである。緊急事態宣言明けの人々の行動や感染者の再拡大、再び規制が発令されてしまうと昨年同様に非常に厳しい展開になってしまうであろう。また、Go Toの再開時期や再開時の条件は詳細が開示されておらず、不明であるが、Go Toの条件次第では人の流れが変わるので、最新の情報に注意をしておきたい。(※GW時点での大規模な移動を想定する再開は、難しいというのが現段階での見立てである)
そして、現時点での予約の中には、前号でもお伝えしたGo Toの言わば「後からGo Toキャンペーン適用できます」という制度を念頭に、とりあえず予約したというお客さまも交ざっていることも予想されるので、予約の出入りやキャンセルポリシーの設定には一層の注意が必要である。
昨年に引き続き、予断を許さぬ状況ではあるが、全く予約が動かないという状況でもなく、人々が「旅をしたい」という根源的な欲求を持ち続けていてくれることには、力強さを感じる状況である。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)