今号ではここ最近の流れと、今後のGo To再開に向けての準備について述べていきたいと思う。
まず、年末年始からのGo To停止によるダメージは甚大で、1月、2月共にレジャーもビジネスも再び大幅な需要減となっている。旅館、リゾートでは休館も多く、地域経済は再び苦境に立たされている。3月7日までの主要都市の緊急事態宣言下においては、現状の状況が続くと思われるので、営業日において稼働対策を実施している施設は、継続を余儀なくされるであろう。
さて、緊急事態宣言が仮に3月7日で終了するとして、即Go Toキャンペーンの再開に至るかは現時点では不透明である。旅行需要の本格的な再開にはGo Toの再開は欠かせないと思うので、Go To再開日が決まるまでは、現状の稼働施策を継続されることが良いのではないか。
現状は再開の見通しが立っていないこともあり、3月、4月、ゴールデンウイーク(GW)と予約の先行状況は鈍い状況である。
ただし、ここで一つ着目しておきたいのが、各OTAが実施した「先行予約に対して、キャンセルや取り直しをすることなく、Go To再開後にはGo Toの割引が適用できる」という措置についてである。つまり、旅行者は先にGWの予約を取っておき、今後GWがGo Toの適用になった場合には、既存の予約に対してGo Toの割引が受けられるということになる。このことが浸透していけば、少しずつではあるが、先行予約が伸びる可能性はある。
半面、施設側は先行予約を安い料金で設定してしまうと、その料金に対してGo Toの割引が適用になってしまうので、先行の料金設定には十分な注意が必要である。既に人気のある旅館では、5月1~3日の予約が好調に推移しているところもある。
また、Go To再開に向けては、上限額の引き下げや県内発着のみでの再開案なども浮上している模様だ。条件次第で、ヒットする商品が異なると想定されるので(例えば、県内発着スタートであれば、県民限定プランは必須となる)、提供される情報には十分に注意して進めたい。かつ複数のシナリオを事前に想定し、準備を進めておくことが賢明である。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)