依然として不安定な状況が続く中、旅行業界においてはレジャー、ビジネスいずれの分野でも回復の見通しは不透明なままであり、航空便の利用状況や具体的な旅行のイメージを思い描くことも難しくなっています。そのような中、旅行業に携わる方々におかれましては、旅行業界がいつ回復を遂げるのかを知りたいと、考えられていることと思います。弊社は日本の旅行、宿泊業界をサポートするためには、いつ、どの地域で復興の兆しが見られるのかを察知することが何よりも重要であると考えています。
実際、弊社が日本の提携宿泊施設さまを対象に行った最新の調査でも、大半の施設さまが需要トレンドの取り込みを最優先課題としているという結果が出ています(※1)。
旅行テクノロジーで世界をリードするエクスペディア・グループは、日々膨大なデータを扱っております。このため、上に述べたような旅行業界の期待に応えるべく、弊社のデータサイエンティストと開発チームは全力を傾け、最新のダイナミック分析ツール「マーケット分析」を開発しました。本ツールは弊社のパートナー施設さま向けの管理画面「Partner Central」から無料でご利用いただけるもので、エクスペディア・グループの宿泊施設検索データに基づき旅行者の旅行動向に関する情報をご提供いたします。
エビデンスに基づく戦略・データ活用により販売戦略を最適化
「マーケット分析」ツールをご利用いただくと、各都市および地域への需要や旅行者行動を早い時点で察知できます。これによりパートナー施設さまは、回復に向けて進むべき方向を見極め、販売戦略を最適化し、適切なタイミングで国内、海外からの旅行者の需要を取り込むことが可能になります。
本ツールは2種類の表示画面により構成されます。旅行者がサイトを訪問し検索を行った日のデータ(「検索日」)と、その旅行時期のデータ(「宿泊日別のページ訪問数」)が、合計数と前年比で表示されます。いずれの画面でもヒートマップにより、需要が発生している地域(旅行者の居住国)が分かります。
例えば、京都駅付近の検索トレンドについてご説明します。「マーケット分析」によると、緊急事態宣言が発出された4月中旬、京都駅付近へ旅行を計画している国内の旅行者数は前年比80%減に落ち込みました。自粛要請が解除されるや否や国内からの検索数が回復し始め、6月末には前年比40%減にまで持ち返しました(※2)。
今のところ外国人旅行者の日本への入国制限は解除されていませんが、国外からの旅行需要もすでに回復の兆しを見せています。「マーケット分析」のデータによると、京都駅周辺エリアの宿泊施設においては、宿泊日を年末から2021年上旬と設定された場合の海外からの検索数が上昇しており、このことから外国人旅行者は京都を訪問したいと考えていることが分かります(※3)。
年末にかけての展開を予想することは困難ですが、旅行に思いをはせ、検索をする旅行者のマインドを理解することは極めて有意義です。日本の宿泊施設さまが今後の計画を立てられるように、そして早期に今後の需要を取り込むことができるよう、業界全体が力を合わせるべき時であると弊社は考えております。
(エクスペディア・ホールディングス代表取締役 マイケル・ダイクス)
※1 Expedia Groupが日本の提携施設さま355軒を対象に2020年5月1日~11日に実施した調査
※2 2020年7月13日の週のExpedia Groupの検索データ(旅行日が2020年4月と6月)
※3 2020年7月13日の週のExpedia Groupの検索データ(旅行日が2020年12月から2021年2月)